2007/05/09//Wed.
第二の純正機 (FUJICA ST801 + EBC FUJINON 55/1.8)
なんてことだろう。マニュアルカメラを始めてから約一年で、こんなことになってしまうなんて……。

そう、機材の増殖のことです。特に今目の前にあるこのM42のレンズ群を眺めていると、以前コレクター精神について批判(?)していたのは一体? と思わざるを得ない状況です。お恥ずかしながら……。
言い訳をさせてもらえれば、ちょっとずつレンズやカメラに対する考え方が変わってきたということがあり……生活スタイルの変化ももちろんあると思うのですが。

Kマウントの標準レンズ一本を除いて、所持するレンズ全てがM42マウントである僕の場合、カメラボディに求めるテーマは、もちろんM42レンズとの完全互換です。
全てのボディでレンズが使いまわせる。素晴らしい。

しかし、マウントアダプタがいかに便利でも、やはり純正機には快適さの面で届かないところがあります。
Bessaflexの快適さはもう全く問題ないものなのですが、このたび、すぐ目の前に笑ってしまうような値段で古き良き純正機が。

で、これです。
801-01.jpg

LUMIX FX7
フジのST801。生まれながらの(あるいは、生まれたままの)スクリューマウント機です。
世界で初めて露出表示にLEDを使用した機体でもあります。
あまりに安かったのと、発売から35年という月日が経過しているというのとで、色々と不安は浮かんだのですが……なんとなんと、このSPD制御のLEDメーター、何の問題もなく素早く正確に反応してくれるじゃありませんか。実用に何の不便もないという(笑)。

ファインダーもBessaflexには及ばないものの大きく明るく、巻き上げも軽いし、シャッターはメカニカルで2000分の1秒まで切れる。地味ながらとてもバランスのいい、使えるカメラなのではないかと感じさせます。

801-04.jpg

大きさはBessaflexとほぼ同じ。発売された当時(1972年)としてはかなり小型だったのではないでしょうか。
当たり前のように真鍮製で、しっかりとした重さと剛性感があります。マグネシウム合金製のBessaflexとは手にした感じがかなり違うので面白いですね。

801-03.jpg

標準とするレンズはフジノン。緑色のEBC(エレクトロ・ビーム・コーティング)が綺麗。50/1.4あたりが本当なんだと思うんですが、僕が持っているのは55/1.8の前期型です。
M42という単純無比な構造でありながら、定位置固定の機構を持ち、ST801にマウントすることで開放測光が可能です。便利!

話によるとこの前期型のフジノンは、この頃のレンズ(タクマーとか)によく見られた「放射能レンズ」であるそうで、それが原因で経年で飴色に変色してしまう性質があるそうです。
この55/1.8も少しその兆候があり、カラーで撮ると、光の具合によって何ともレトロ……な感じの色合いになってしまうことがあります。
今年の桜写真の何割かはこのレンズで撮りましたが、モノクロなのはそのせいもあります。
しかし描写は繊細だし、ボケも綺麗。是非実用していきたい良レンズです。


801-06.jpg

ST801は純正のM42であるがゆえに、当然、うちの「資源」のほとんどが利用できます。ほら、フレクトゴンもこの通り。楽しい……(ニンマリとわらう)。

ただし、開放測光のメカニズム(といっても突起物のごときものですが)があるため、例えばフレクトゴン20ミリのように、何に使うかわかんない変な電極があったりするレンズは引っかかってマウントできません。
同じく、フジノンレンズのほうも、固定用の突起物をよくヤスリで削り落とされちゃったりしているようですね。何だか、ちょっとかわいそうな話ではあります。


フジというメーカー、実は結構好きだったりします。
現在もフィルムや銀塩カメラの生産を続け、積極的に銀塩ジャンルを牽引してくれているところも好ましいし、過去の「フジカ」たちはどれも皆、意欲的な精神が込められていると思います。
いかんせん35ミリの分野ではプロ仕様とはいかず、ニコンやキヤノンと比べると地味、マイナーなところがありますが、その分、両メーカーのように「トップでなくては」という切迫した感じがせず、そこら辺がかえって魅力であると感じるのは僕だけでしょうか。

まあ、何はともあれ、モノがスクリューマウントです。ゆっくり、ほのぼのいきましょう。




・追記・
勢いで書いていましたが、EBCフジノン55ミリが放射能レンズかどうかという点に関して、ガイガーカウンターがないので、本当のところはわかりません。
50/1.4に関しては、「写真工業」誌に反応を確認したとの記載があったので本当っぽく、55ミリに関しても変色の傾向がとてもよく似ているので、そうではないかという疑いがある、という感じです。
今のところ、実際にこの55/1.8を計測してみたという記事にはありつけていませんので、あしからず。

タクマーの例をとっても、50/1.4前期は放射能レンズで後期は違い、また1.8も違う、というようなこともあり、細かい改良やモデルチェンジによっても変わってくるのだろうと思われます(おそらくこの辺は製造過程における問題にも触れてくるのでしょうが)。

しかし、それで写真を撮るということについては、まあ、だからなんだ、という程度のものです。
酸化トリウムが含まれていようがいまいが、それがどれほど写りに影響するものか、微々たる差なら別にいいじゃん、それより僕は牛丼のそばにおいてある紅しょうがの赤色添加物の影響の方が気になります。
>> 2007/05/12 22:50
素敵な話しです
フジノンは国内最高のレンズだとボクは思っています
世界一と言わないのは、全世界のレンズをまだ試していないからです

M42マウントの35mmを探しているんですが、なかなか良い状態のがないですね・・・欲しい
>> 2007/05/13 09:57
神原さん、ありがとうございます。
フジノン最高説、強く同意します! 
僕はどちらかというと東ドイツ勢から触った身ですが、この丁寧さを感じる描写、一目でコイツは違うと感じました。
鏡胴のデザイン等もとても操作しやすくまとまっていて、好感の持てるいいレンズです。

ペンタックス、Bessaflex以外となると、確かに難しいですね。
このST801にありつけなかったら、ひょっとしたらイカレックス35とか買ってたかもしれないです(苦笑)。
いや、結果としてこっちで本当によかったんですが……。
>> 2007/05/14 19:26
格好良いですね。
やっぱり好きです、金属カメラ。
昨日気まぐれにデジイチを見て回ったんですが、
こういった格好良さを感じる事が出来ませんでした。
>> 2007/05/16 02:01
ribbonさん、コメントありがとうございます。
僕も休日には時々、大手電気店の店先でデジのデモ機を一通り触って来るんですが……そう、やはり金属メカカメラのように惚れることがありません。
いいメカカメラだと、巻き上げ、シャッター切ってしまったらもう、買う気になっているものですが(笑)。

金属製の道具に触れていると妙に落ち着きます。実際。
そこから写真を撮る気も起きてきます。
>> 2007/05/18 23:57
写真機としての存在価値、存在理由がデジカメには見あたりませんね。触るだけがっくりさせられます。物質として存在しているのに個体としての価値が低い。
つまりは「利便性」や「経済的」といったような部分ばかりが強調された末に産まれてきたものだからじゃないかなと思います。
もちろん「利便性」や「経済的」という部分でかなり恩恵にあずかれるのですが
>> 2007/05/19 01:38
そうなんですよね……こんなことはあまり言いたくないのですが、デジカメに触れば触るだけ、金属カメラの方が魅力的に思えてしまうのです。
特に、軒並みのあのしょぼいファインダーはなんだ! 物足りないぞ!(さけぶ)

撮るのに便利なツールにはなったかもしれませんが、撮りたくなるような道具であるのかといえば、残念ながらまだまだですよね。
しかし、これから万一物体として優れたものができたとしても、たった数年で写真的に通用しなくなったり、まるっきり使えなくなったりしてしまう……そんなのでは嫌です。
そんなのはカメラではなく、破綻を約束された何だかよくわからないモノなんじゃないかと疑ってしまい、そうするとまた写真も撮れなく……。

いや、まだまだ発展の余地があるというのはいいことなんだと思います。
それに、僕の目の前には今、こんな素晴らしい道具たちがある。デジカメが頑張って発展している間、僕はこの幸せをもっと噛み締めたいと思います(笑)。








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素晴らしきユニバーサルマウント・M42のレンズを主戦力に、銀塩スナップを日々楽しんでます。

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