2014/12/09//Tue.
二日酔い紀行 2 
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DP2 Merrill / 30mmf2.8
MX-1

(前回までのあらすじ)
おさけバスによる山形への忘年旅行、飲めないのにお昼に飲酒してしまい、霊魂的存在が肉体という牢獄から3センチほど分離した状態で、しかし3センチほどであるがゆえにただ気分が悪いだけで、そのまま辿りついたのが山寺。


サービスエリアのおトイレ以外では、ほとんどこの旅行唯一と言っていい立ち寄り先が、この山寺(立石寺)。
しかしそれとても、悪天候ゆえに中止になりそうだったのですよ。
片道400キロも走ってただ宴会して帰ってきました、なんて、そんなこと許されると思いますか?
皆にそんな意識が働いていたかどうかはきわめて謎ですが、ぐたぐたな肉体にちょっとだけ高揚した気分がにじみ出し、ヨチヨチと山道を登り出したのでした。



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本当は次の日に来る予定だった山寺ですが、予報があからさまな大崩れだったので本日に変更……というのは建前もいいところで、「明日はほぼ全員二日酔いであろう」という、天気予報より1000%確実な予測に基づくものです。
そりゃそうだろうよ、そうしたがいいぜ、ゾンビが山登りするようなもんだぜ。

とか言いつつ、あれよという間にお寺まで辿りつきました。
1000段階段とかウソなんじゃねえの、と、安直に笑っていたら、ガイドさんがものも言わず本当の入り口に引っ張って行きます。

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登り口にはやけにたくさん猫がいたな。
後で地元のお姉さんに訊いたところ、前は山猿が群れており、参拝客を襲撃して大変だったそうな。
しかし、猫が飼われるや猿どもは姿を消し、まあ、そういう。

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バショー・ザ・ハイク・セイント。

閑さや 岩にしみ入る 蝉の声

という名句が詠まれたのがこの立石寺らしいですがね。
芭蕉は伊賀の生まれであるし、よく考えたらおかしな速度ですごい道を歩いていたり、俳句もひょっとしたら暗号文書めいたところが? ひょっとして隠密だったんじゃねえ? というようなことを、昔再放送していた「隠密・奥の細道」で見たような気がしますが。
尤も、この冬の午後なんかに来ちゃあ、岩にしみいるどころか、蝉はみんな死んじまった後ですぜ。
東北は夏がよかったなあと(夏は忘年会やらないしね)。

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そんなことを考えている間にも、どんどん道はけわしく、山は深くなっていくのです。
だいたい、樹がみんなでかいし、こわい。

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酔っぱらい先生たちの息も、それこそいよいよ上がってきました。
だいたい無茶があるんだよ……と、普段だったら走って登りきったであろう(それは言い過ぎ)僕自身も、頭がグラグラし、天狗に妖術をかけられたような気分になってきます。
鼓動が速いし、嫌な汗が出るし、とても喉がかわく。
昔、「午後ロー(午後のロードショー)」のチャック・ノリス映画特集で見た「地獄のヒーロー」のどっかで、ブラドック大佐が言った「毒蛇に噛まれたら走れ」というアドヴァイスがぐるぐると頭の中を巡ります。
そんなのばっかです。

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石灰岩質の奇岩を削り取って、なんかお墓めいた文字が刻んであって、こわい。

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しかし、日本人というのは、なんでこう小銭を置いて行きたがる習性があるんでしょうか。
外国人が見たら、古代人のお金が岩の浸食で出土しちゃったと思ってしまうでしょうが(思わねえよ)。

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ようやく舞台のようになった最上部に至りました。
すごい岩、山。
蝉が鳴いてたら、たしかにしみいったかもしらん。

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お酒の上のトレッキングでおかしくなっている僕たちは、あの小さなオウチみたいなところに行ってみましょうよ、とかまた歩き出しましたが、立て札いわく、
「行くとたぶん死ぬので、修行者以外は行かないでください」
とのことなので、よしました。


……以上、山寺からお送りしました。
おみやげやさんで、みんなでアイスを食べました。
そしてトイレ。
そして宿へ。

(※ ここに宴会が入る ※)


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朝になりましたね。
うー、やっぱりちょっと気持ちが悪い。
あまりにも激しく飲みまくる周囲にも辟易しますが、あまりにも激しく飲めない自分にもがっかりひとしおです。
どんなに極限に薄くしても、お酒が入ってるってことがわかってしまうもんな。

おかげで宴会の時のごはんはほとんど食べられず。
さすがに身体が求めている感じになったので、朝風呂し、朝食はおかわり。
米沢かどうかは不明ながら、朝からステーキが食えたので、おかわり。

泊まった天童温泉というところは、将棋のコマ(盤もか?)の生産日本一のところです。
羽生名人もきてます。
将棋とか強い人ってかっこいいなと思います。

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天童の街並よ。
さむいな。
温泉に入りにきたわりに、うちの方より街中なのはいかに。

昨日山寺というカードを切ってしまったので、急遽編成された予定でお土産を買いに行くも、うわー、将棋のコマくらいしか買うもんがない(失礼)。
将棋の駒がおすすめですよと言われるし、周りがほんとに将棋の駒だらけなので、仕方なくよくよく見ているうちに、根付けになってる漆塗りのが良いような気がしてきてしまい、実際買ってるし。
さかさ馬と言って、馬という字を左右反転させた縁起物の駒があってですね、つまづくことなく進めるという意味なんですって。

黒い漆塗りの駒の根付けは、見てるうちに、モノリスみたいだなとか、その質感なんかがだんだん本当に気に入ってきてしまい、皆さんも天童を訪れた際には是非買ってみてくださいね。
500円です。

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あとは東北の物産。
お菓子を買う人、ラフランスを買う人、りんごを買う人、ワインを買う人、牛肉を買う人。
僕は将棋の駒と味噌を買ったわけです。

買ったらとっととバスに乗ろう。
400キロ来たら、400キロ戻る、単純な話です。
なんだかとっても疲れましたが……疲れただけのような気もしますが……おい、冗談じゃねえよ、「釣りバカ日誌」の映画の、なんで最後の10分だけ映像が乱れて観られなくなるんだよ!?
くそっ、考えてみたら去年もそうだったじゃねえかよ……ハマちゃん……。

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泣き濡れる 眼下に過ぐる 首都高速

私は帰ります。
海の近くの、私の故郷(ふるさと)へ。
なぜって、だって、明日も8時前から仕事だもの。

さらば山形。
こんどは違った形で逢いましょう。



(こんなん早く終わらせたくて、長い記事になってしまいました。
 すみません。
 さようなら。)

>> 2014/12/09 21:39
山寺に行きたいと幾星霜。
山形に行くと天気ががが(あゝいつものことだ)。
ご先祖様が住んでた地なのでちゃんと歩きたいところです。

芭蕉さんは隠密の方が浪漫ありますね。
そうであってほしい。
お墓は隣にお願いと木曽義仲大好きな芭蕉さん。
俳句は蕪村さんの方が好みですが、義仲好きってだけで芭蕉さんが割と好きです(よくわからない理由)。

狛さん、お疲れ様でした。
酒の方は代わって差し上げたいと思いましたw
>> 2014/12/09 22:30
さかしたさん>
こんばんは、暖かいお言葉感謝いたします。
山形は、こんな風に行かなければ、とても良いところだと思うのですよ。
ほんとに、ゆっくり訪れてドライブしたり温泉に浸かったりしたい……。

芭蕉のお墓は木曾義仲の隣なんですか、初めて知りました。
芭蕉も面白い人ですが、門人というか、周囲の俳人たちも癖があって面白い人が多いですよね。
やり手の商人とか、どう考えてもゴロツキみたいな人とか。
世を忍ぶ仮の姿とか……その辺も実は隠密っぽいんじゃないかなとも。

お酒はですね、飲める人はとてもうまそうに飲みますよね。
うちの一族はことごとく共感できず、世渡りに苦労をばしております。
まあ、こればっかりは仕方ないですね……。
>> 2014/12/10 00:51
温泉に入りにきたわりに、うちの方より街中なのはいかに。

あぁ、たまに温泉に行くもなんだか釈然としない経験がありますが
これだったのかもしれないですね。
あんまり落ち着けてねえぞ感はこれが原因だったのかも一人納得しております。

将棋の駒は僕はいらないと思ってますがそこに行くと欲しくなるのかもしれないですね。

いやいや、楽しませていただきました。
>> 2014/12/10 10:10
あ〜おもしろかったです(笑)
400キロも!遠い所を山形にお越しいただいて
ありがとうございます。

山寺の階段、お疲れ様でした。
私が行った時は、下りの階段で、まさかのヒザ痛が・・
かなりきつい修行でした。
春には「人間将棋」というお祭りもあります。
興味がありましたら検索してみてくださいね。
>> 2014/12/10 21:22
社員旅行お疲れ様でした。
そのお陰でしょうか、東北の写真プラス面白い読み物になっていて楽しめました(笑)。
私の一番最初の職場が宴会大好きなこんな会社でしたよ。
社員旅行にはビールが何箱もバスに詰まれて飲みっぱなしで移動、
宿の朝食時にはビール茶漬けなどを強要されるというような・・・(汗)。
飲めないと付き合うだけでもタイヘンですねぇ。
本当にお疲れ様でした!
>> 2014/12/10 22:09
atushiさん>
こんばんは。
いやね、街中に温泉があっちゃいけないというわけじゃないんですが、自分の求める温泉風情ってのは、こう、ずいぶん鄙びた感じなんでしょうね。
独特な風土、興味深い建築、見たことがないもの、そういうのの中に温泉ってのがあるところを選んでしまいます。

将棋はですね、正直ほとんどやったことがないんですよ。
さすがにあのでかいやつ……下駄箱の上に置いてあって、泥棒を見つけたらぶっつけてやろうと思うやつ……あれはしょうもないですが、小さくて良く出来てる奴は激渋日本土産としてなかなか美しいですよ。
>> 2014/12/10 22:46
ぴよ社長さん>
長いのをお読みいただいてありがとうございます(笑)。
ほんとに、山形に失礼だろ、ってな強行軍でしたね……。

実際、下りの方がダメージがあるかもしれませんね。
勢いを膝で受けないといけないし、足下も危ないし、一苦労です。
おさけ仙人さんは、階段を下りながら、すれ違いに登って行く男の人の前では「まだまだ1000段ある」みたいな顔をし、女の人には「あと少しですよ」と言ったりしていました。

人間将棋は、写真があった気がします。
「歩」と書いた旗の下にいるような僕です。



>> 2014/12/10 22:52
RYO-JIさん>
やはりご同様に長いのをお読みいただいて恐縮です。
まあ、常識を保ってのおさけ道楽なので、僕としても付き合っていけますが、もう一歩進んじまうと、勝手にいなくなるよ俺は、というところになりそうです。
宴会なんか抜け出して、夜の知らない街に写真撮りにいこうぜ! ってなもんですよ。

明後日は親会社の忘年会で泊まりです……。
なんだか今年はぎりぎりいっぱいまで忙しくなりそうです。








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狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

・巨樹探訪旅やってます。・
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・写真展(2013.2)・
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