2015/06/14//Sun.
佐渡へ 長谷寺
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 昔の人は、どういう思いで寺社仏閣をお参りしていたものでしょう。
 もちろん、こんな現代人なんかとは比べ物にならないような深い信心があったというのは間違いないことですが、一方で、寺社仏閣の様式がここまで多種多様になったのには、それだけではない理由があると思います。

 現に、清水寺では、「佐渡は僻地で京都の清水寺にお参りできないから、作る」というコンセプトがあって、清水寺に似せた建築をわざわざ作っている。
 「清水寺にお参りしたい」というのと同時に、「清水寺というところに行ってみたい」という願望がそこにはあるんでしょう。
 江戸時代のお伊勢参りや富士山講もそうですが、お参りは旅であって、お寺は名所のひとつであったと言えるはずです。


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 そういう前置きを踏まえての「長谷寺」ですが、「はせでら」と読んだ時、自分として思い浮かぶのは鎌倉の長谷寺です。
 我々の地方は、鎌倉へは小中の修学旅行を含めて数回は必ず訪れるナラワシとなっており、嫌でもお寺には連れていかれます。
 実際、小学の頃はじっとしてられないクソガキであるのだし、中学の頃は何かこうちょっと悶々としていて、放っておいたらまずお寺になんか興味は湧かないのでしょうが、そんなであっても、鎌倉大仏と長谷寺だけは強く印象に刻み込まれたものです。

 長谷寺には金ぴかで巨大な観音様がいた。
 胎内堂とか言って実際に入れる洞窟があった。
 洞窟の中には妖しげな蝋燭の光が灯っていて、無数のマイクロ菩薩が安置してあった。……

 仏法的なものを話で聞かせるだけでなく、身をもって体験してもらおうと、寺の方がある種のスペクタクルを準備して待っている。
 これはすなわち現代で言うテーマパークではないでしょうか。


 でもって、そういう頭があるものですから、佐渡の「長谷寺(ちょうこくじ)」ではどんなものが待ち受けているのかと、反射的に期待してしまいました。
 狛と同郷人であるオムさんも考えていることは同じであるらしく、佐渡の美しい春の景色を眺めながら、鎌倉話に花が咲きます。

「実際、長谷寺は人気があって混む」
「洞窟の天井にでっかいゲジゲジがいたのだが、僕はこの際黙っていた」
「あじさいがとても綺麗なんだよ」
「銭洗弁天の水に落っこったこともあるが、足は増えなかった」
「道の駅に寄りたい」
「歯を磨いてないじゃないか、我々」
「寄ろう」
「寄りましょう」

 ちょっと、休憩。
 カブで旅をしている野郎の集団がいらっしゃって、楽しそうでした。
 カブって言っても野菜の蕪じゃないよ(←蕪でどうやって旅をするのか言ってみろ)。

 道の駅はまだオープンしておらず、広々としたトイレの手洗いで顔を洗います。
 非常に水が冷たいが、気持ちいい。
 向こうの壁に大きな蛾が止まっている。
 入って来た子供がビクッとする。
 そういう朝の情景。
 
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 長谷寺の門前を固める金剛力士像は、たいそう古いらしく、色剥げ腕なんか落っこちてしまって足下に置いてありますが、これ、平安時代の作だそうで、鎌倉より遡る力士像ってのはほとんど残ってないそうですよ。

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 すぐに石段、そして花と緑が目に飛び込んできます。
 最初に受けた、この「花と緑の寺」という印象は、最後に門を出る時まで裏切られることはありませんでした。

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 中庭のようになっているところでは、牡丹祭みたいなことも開催中。
 たいへんにフレンドリーで和やかな雰囲気です。

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 牡丹に芍薬、この華やかさは、無条件に目を楽しませることができますね。

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 そして、なんかいるし。
 ほうぼうで放し飼いです。

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 なんかいるし、2。
 こちらがじっと見ていることに気付くと、ゆっくり、掃除機のコードを収納するようにバックして壁の穴に引っ込んでいきました。
 こう言うとアレですが、けっこうかわいい。

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 文化財を拝み、季節の花を楽しみ、動物と戯れ……長谷寺には他にもこんなに見所があります。
 すごいな、よりどりみどり。

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 そしてこれが本堂。
 ですが、ちょっと待って!
 なんですか、その……でかい樹は!?
 こんなんあるって、私は聞いてないですよ!!(続きは緊急開設の巨木の記事で! ←元気いいな)

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 そしてこれがいわば奥の院に続くところ。
 森は深く、森厳な空気に包まれている感じがしました。

 ここだけの話をしましょう。
 同行人のおむさんにはちょいとした第六感があり、昔からの統計的経験によって、狛もそれを馬鹿にはしないことにしています。
 例えば賃貸物件間で新しい部屋に移るとするじゃない、そこに何か「先客」がいるいないとか、そういう意見はあらかじめ聞いておいた方がいい。
 部屋借りてから、そういえばこんな間取りって変じゃないか? とか、これって盛り塩の跡じゃねえか? とか気付くのは嫌なのです。

 こういう「見え方」あるいは「感じ方」というのこそ個人差があると思うのですが、オムライス師の場合は、「白いブヨブヨしたのが」とか、「顔だけの奴」とか、「緑色で海藻みたいのがいっぱい出てる奴」とか、それが見えない狛にジョン・カーペンター映画的な想像をさせるケースが多く、すなわち、「それならば逃げた方がよかろう!」と即決するに十分なわけです。
 よくわかんねえけど、妖怪だよなそれは、火炎放射器で勝てるのかな。

 ……何の話でしたっけ。
 そう、馬鹿だから嬉々として行き止まりまでつき進んでみようとする狛に、オムサーンが言うのです、ここから先、急に空気が重い感じがするから私は行かないわ、と。
 なにい、と思いつつ、今は姿を消しているだけかもしれぬキツい紫色で手と口がいっぱいあるような奴(例えば、ですよ)とかに突然喰われりしたら嫌なので、素直に足を止めました。
 まあでも、せっかくここまで来たんだから行ってみたいよなとも思いつつ、階段隣に大量に安置されているお地蔵さんみたいなのを見てみると、これ、ものすごい数ですが、みんな「身代わり地蔵」なんですね。
 身代わり地蔵ってのは、人の難を引き受けるものであって、ということは、ここにはそれだけの数の「難」が眠っているということなのかもしれません……。
 もちろん近づいて撮ったりはしませんでした。

 花豊かで楽しげな長谷寺ではありますが、すごく歴史あるお寺でもあります。
 上の「50選」に戻ってみると、即身仏まであるという……佐渡の人の信心の深さを感じさせる場所でもあると思いました。


 さて、そうこうしている間に、時刻は昼になってきました。
 佐渡島はそれほど広大ではないのですぐに市街地まで戻って来れるものの、帰りの船は16時、とすればそろそろ無駄無く動くようにした方がいいかも。

「毎度のことだけど、こういう時の昼飯ってなかなか決まんないね」
「ここにフェリーターミナルがあれば、あの海苔そばが食べたい」
「ここにフェリーターミナルはないよ、おむさん」
「そうね」
「探しまわって時間を無駄にするよりは、コンビニとかでもいいんじゃないか?」
「えー」
「そこのセーブオンでいいや」
「えー」

 という感じで、なんか特に素晴らしくはないお昼ご飯を車の中で食べました。
 初夏の日差しは暑いくらいで、知ってますか、暑いときのハッチバック車って、トランク開けとくと一番風が通って涼しいんですよ。
 実際睡眠時間2時間程度、4時前起きでここまで来たので、車中ちょっと一休み。
 元気を取り戻して、我々は海の方へと下って行くことにしました。

(もうちょっと続く)

>> 2015/06/14 22:29
さかしたの鎌倉の思い出は、
中学の遠足で10月なのに海で泳いだりはしゃいだりしてる同級生達(ヤンキー)です。

うさぎ萌え。
そしてへび萌え。
へびかわいいよへび。

最後の写真だけ奥の方が重いと思ったのは内緒です。
別に霊感もへったくれもないんですが、おむさまのお言葉読んで納得しました…。
>> 2015/06/15 07:32
すばらしいお寺でした。
お花や石段もきれい。
長谷寺50選のなか、即身仏があってってびっくり。
山形県も庄内地方には多い様ですが
佐渡にもあるんですね。

オムさんの霊感話、また登場してほしいです。
>> 2015/06/15 20:22
さかしたさん>
どうも、なんか似たような光景を見た憶えがあるような無いような……。
日本中、既視感をまき散らして、中坊たちは修学旅行するわけですね。

うむ、僕も蛇はけっこうかわいいと思うんですよね。
蛇って慣れるのかな、友達になってくれるのかな、と、ちょっと思います。

僕なんかはそれこそ鮮血が滴ってるとかでないとずんずん行ってしまう方なんですけれども、言われてみるとヒヤッときますね。
そういやそうだ、と。
そういうもんなんでしょうね。
>> 2015/06/15 20:45
ぴよ社長さん>
忘れたような頃に突然ドロッと来るので、びっくりしますよ……。
まあでも、明るいところもあれば暗いところもあるってことだろうと思うんです。
それがわかる人の言葉には(ときどき)耳を傾けないと……。
即神仏が多いってのに僕はびっくりです。

おてら、矢継ぎ早に巨木です!!








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狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
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