2015/08/31//Mon.
巨樹を訪ねる 三浦杉
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K-7 / DA 21mmf3.2 / CZ Ultron 50mmf1.8 / CZJ Pancolar 80mmf1.8

 夏の終わりのぐずつく日曜日、日帰りという枷をはめた足コンパスで円を描いてみて、だいたいここなら行けるという位置に見つかったのが、この杉でした。
 茨城県美和村は、もうこの先は栃木県那須塩原という山中にあります。
 千葉も茨城もとても広いのですが、半島である千葉は、やはりどこへ行っても海からの風が吹いているような気がします。
 対して海に背を向けて遠ざかれば遠ざかるほど、茨城の山の濃さは深々と増してゆくのです。
 海辺育ちの自分なぞは、そういう土地に向かうと思うと、無用にそわそわとしてきます。
 地図を見て考えてみれば今回の道行きは、ほぼ茨城県を対角線状に貫通したと言えるんですね(笑)。


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 県指定の天然記念物でもあり、ちゃんと標識もあれば、最寄りにちょっとした駐車場もあります。
 林立する杉の間を歩いて神社の石段を上って行くと……。
 さて、クイズの時間です。
 手前にある杉は、一体どれでしょうか?

 ……なんて。
 でも、そういう風に意識して見てみると、だんだん遠近感がおかしくなってくるかのようです。
 まるでエッシャーの絵のよう。

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 少し進めば、その仕掛けが明らかになります。
 一番奥のひときわ巨大な二本が今回の目的の巨樹、「三浦杉」です。
 大きい、そして何より高い。
 その根で石段を歪ませ、天を突くかのようにそびえ立っています。

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 手前の樹と奥の樹、どちらが大きいのか比較が難しいのですが、大きい方で幹周囲約10メートルとのこと。
 ものすごい力強さを感じる根です。

 杉の手前に柵があって、そこから先へは進めないようになっています。
 何でも、杉からの枝の落下があるそうで、危険だということです。
 しかし、ふと横を見ると、迂回して神社まで登る獣道を発見。
 おそらく地元の方が神社にアクセスするのに使っているのではと思いつつ、これで上まで行ってみることにしました。
 杉の枝までは30メートルもの高さがあるし、確かに、そんな所から頭上に枝が落ちて来たら大惨事です。
 神社の屋根の下に入るようにして、あくまで杉の下には近づかないように……(安全管理は自己責任です)。

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 神社境内の前から見た、杉の裏側です。
 近寄らなくても済むように、カメラのレンズも望遠よりのものに変えました。

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 もう一本のほう。
 こちらも実にたくましい根をしています。
 あの高さを支えているのですもの、すごい力です。

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 吉田八幡神社。
 祭神は日本武尊と誉田別尊。
 県境を越えて少しのところにある那須の殺生石は、三浦大介基安によって大怪・金毛九尾の狐が討伐された時、呪いを吐いて石になったものですが、この二本杉こそ、その三浦大介基安が先勝祈願のために植えたという伝説の樹なのだそうです。
 後年、杉の由来を聞いて「三浦杉」と命名したのは、かの水戸光圀。
 何ともいわくに満ちた巨樹です。

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 雨の中、はるかてっぺんを撮ってみます。

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 仰け反るように、もう一本のほうも。
 巨大な樹ですが、勢いは良く、元気そうです。

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 高すぎて、正面から全体像を捉えることはほぼできません。
 宙を貫いているかのような存在感。

 ↓ 無茶をして、無理矢理3枚撮ってつないで全体像にしてみました。
   おそろしい背の高さです……。

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 画像上、高さに差があるように見えますが、実際のところは段差もあるし、正確な差はよくわかりません。
 ご容赦を。

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 高い。
 目眩すら感じつつ、もういちどその根を見ずにはいられません。

 この樹のすごいところは、高さもさることながら、そのまっすぐさです。
 どこまでもとてもきれいな直線形をして伸びており、うろや割れもなくがっちりと身が締まっています。

 参考にした本には、樹高35メートルとありましたが、これはどうやら誤記のようです。
 これで35メートルってことはないだろ……と、実際見ていて思ったのですが、観光協会の資料などを見ると60メートル近くあるようです(全然違うじゃないか)。
 日本でもトップクラスに高い樹と言えると思います。


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「三浦杉」
茨城県美和村 吉田八幡神社
樹齢:850年
樹種:スギ
樹高:59メートル
幹周:10メートル(大きい方の樹)

>> 2015/08/31 07:47
今回もすごい大木でした。
幹の片側だけに苔むしても
後から出来た石段も気にしない
「私は私」でそこにいる、かんじがします。
>> 2015/08/31 21:37
時空の歪みを感じる画像。
いや、カッコいい。

この記事を拝見していつも遊びに行ってるブロガーさんの記事を思い出しました。
rekitabi4.blog.fc2.com/blog-entry-485.html(直リンはしてないはず)。
あちこち遊びに行ってリンクするとおもしろいなぁ。

巨木に圧倒されております。
>> 2015/08/31 22:28
59mですか!
しかも真っ直ぐ空に向かって伸びているってのがイイじゃないですか!!
首の具合が良くない私は、てっぺんまで見上げられないかもしれません(笑)。
>> 2015/08/31 23:15
巨木シリーズ続いてますね。

一体どこまで追い求めるんだろうか・・・
そんな様子をこっそり眺めて楽しませていただこうと思ってました。
思ってましたけどね。

3枚をつなげて全体像を、なんてされたら思わずコメントしてしまうってものですよ。

巨木は実際に目にすると生命力というのかなんとも神秘的なものを感じますが
これだけの巨木だと画面越しでも神秘的に感じますね。
そして狛さんの巨木に対する想いが増してるのも感じてます(笑)
>> 2015/09/01 06:08
ぴよ社長さん>
ぴよさんの言われる通りだと思います。
その意志が天をついて高く高く伸びているのがこの樹です。
これからももっと高く育っていってほしいです。
>> 2015/09/01 06:22
さかしたさん>
リンク先、さっそく見させてもらいました。
わかりやすくてコミカルで、大変いい感じです(笑)。
平安から鎌倉、武士の時代になっていく世の妖怪バスターの話はスペクタクルそのものですよね。
酒呑童子といい、九尾の狐といい、妖怪のスケールもボスクラスのが揃っていて、兇悪かつカッコいい。
記紀神話の八岐大蛇みたいなモンスターとは違って、知能も相当に高い難敵ですからね……。
ちなみに、建設の徒は今でも毎日「げんのー」「げんのー」言ってますよ(笑)。

三浦杉はまさに武運長久を体現して、高く高く育ったというわけです。
這いつくばってもぜんぜん画角に納まらないのですもの。
最後のはフィルムフルサイズの20ミリ超広角、ディストーションがすごいですが、これでやっとです(苦笑)。
>> 2015/09/01 06:25
RYO-JIさん>
いままで見た巨樹の中でも一番背の高い樹で間違いないと思います。
日本の杉の樹の統計としても、60メートルというのは最高値レベルのはずです。
杉の樹も色々ですからね。
こんなに槍のようにまっすぐというのはなかなか無いんじゃないかなと思います。
30メートル上空から落下する枝も怖いですが、仰け反って仰向けに石段から落ちそうになって、こっちの方がかなり恐怖!

>> 2015/09/01 06:29
atushiさん>
巨木さまたちにも個々の強い個性があり……個性があるから何百年も生き残れるのかもしれませんが、そのおかげで飽きずに撮ってられますね。
行くのたいへんですが、それもまた楽しい(笑)。

3枚つなげはかなりムチャでした……三脚もそろそろ使った方がいいんじゃないかと思い始めています。
ほんとにね、写真にあの生命力と存在感が写ればいいんですけどね、実際そばまで行った時のあの感じはなかなか再現できません。
圧倒されますよ。
写真撮ってるうちに敬語で話しかけてますもん(笑)。








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スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

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「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
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