2016/02/21//Sun.
巨樹を撮るのには
yamagata1563.jpg
K-7 / DA 21mmf3.2

 次へ行く前に、したいので、ちょっとだけインターバル。
 大きな樹を撮るのにもまあまあ慣れて来た昨今ですが、実際こんな風に(楽しんで/苦しんで)撮影してますよ、ということを書いてみます。

 巨樹を撮るための(多分、間違った)方法をご紹介。

 一目瞭然ですが、まずこの変態三脚をどうぞ。
 別に巨樹撮影のために買い求めたわけではないんですが(※)、マンフロットのこのタイプの三脚はほぼ平蜘蛛状に開脚でき、おまけにセンターポールを横倒しにできるというおかしな機能があります。
 このおかげで、まず普通にはあり得ない低い位置からの撮影が可能。
 後述するあほ単焦点カメラを使用する上で、これが非常に重要な要素となる。
 というか、暗い森の中とかでは、こうしないとまず無理だっての。

 (※とはいえ、別にいやらしい目的で買ったわけでもない。)

 カメラはもうデジタルのみ。
 先人はポジフィルムと中判カメラを使用されたようですが、それも高解像度と忠実な発色を確保するためのもの……巨樹という自然の遺産をそのオーラとともに鮮明に記録するためであり、つまりその時に現在のデジタルカメラがあれば、皆おそらくこれを選択したであろうと思うのですね。
 フィルムも大好きですが、ものには適材適所ってのがあるわけで、高解像デジタルはまさにこのためにあるようなもんだと思っています。
 このブログでも何度か愚痴っていて、アマゾンレヴューに☆1を付けるか☆5を付けるか、いまだ決着できないでいるくそ傑作カメラ「SIGMA DP2 Merrill(以下「メリル」)」が、うちではこの役目に抜擢されています。

 今一度。
 このメリルってのはほんとに偏っていて、コンデジの格好をしていますが、それは格好でしかなく、意味もあんまし無い。
 APS-Cサイズのフォビオンていう特別製センサーを積んでるんですが、色を実際色として捉える3層構造(※1)、実質4500万画素相当の性能をたたき出す大した奴です。
 もとはフォビオンという海外の会社があったんだけど、日本のシグマが容赦なく買収した。
 メリルってのは、これを設計した偉大なおっさんの名前らしいです。

 (※1 普通のセンサーは1か0の信号を後から色づけしてるようなもんですが、フォビオンは赤は赤、という風に捉えているらしい。
  人の眼やフィルムと理屈的にはかなり近い方式)

 レンズは一体型で45ミリ相当、交換不可能。
 このセンサーのために完全に特化チューンされている。
 写りは安定しているものの、広角レンズではないので、巨樹の全体を入れるためには、そう、より低い位置から撮ることが必要な場合が出てくるというわけです。

 実際、こんな何の補正機能もなく、動作がものすごくトロいハードウェアで4500万画素なんていう撮影をするとなると、息止めたってぶれるし、オートフォーカスもお利口さんではないのでマニュアル調節だし、三脚はセットで考えないともうダメ絶対。
 変態三脚と変態カメラで一個のシステムと考えて、脚切ったら死んじゃう、みたいに思ってないといけないとわかってきました(高感度性能もダメなので、ISOは常に100固定だし)。
 ほんとうはかっこよくて便利な一眼レフで撮りたいんですが。

 こうして頑張って100枚も撮れば、ちゃんとしたのがいくつかは残る。
 フォビオンは色に関しても異常に敏感で、よくあり得ない発色もするけど(UFOにビームで攻撃されたのか、インディペンデンス・デイかよ、という色を出したりする)、RAWで撮って調節すれば何とか。

 撮ってる最中は、ほんとこのカメラくそだな、もうやだ、打ち捨てたいって思うんですが、データの重さにMacをフリーズさせながら一枚一枚見ていって、芯に当たってるのを拾えた時の喜びはすごい。
 時には、それ一枚だけで全てが許せるんじゃないか、自分がイエス・キリストになったんじゃないかという気分になる時があり、だから始末におえない。
 最近は各社フルサイズ機も出てきて、画素数ではこれを上回る物もありますが、メリルの写真の解像感ってのは独特だと思うんですよ。
 過剰性がきわだっているというか……こんなブログ用に縮小したのじゃなくて、ちゃんとある程度の大きさにプリントしたのをお目にかけたい気分です。

 巨樹を写真で残すのには適していると思うんですが、どうでしょうか。 
 文句言って苦労しながら、結局これからもこうして撮っていくのかもしれません。 

>> 2016/02/21 21:23
巨樹撮影機材にはそんな秘話があったんですねぇ。
ネットでの噂レベルで知っていた偏った性能のメリル。
しかしネガティブな性格をキリストのような広く大きな心で許し、
その圧倒的な描写力にこだわる狛さんの姿勢に驚きです。
手持ちのタフネスコンデジで巨樹に挑んでいる自分が恥ずかしい(汗)。
非常に参考になる記事でした!
>> 2016/02/21 22:53
巨木撮影に毎回こんなドラマがあったんですね。
正直に言うと、この人よく行くわ~と思っていました。
三脚につっこもうかと思っていたらしっかりと※注意書きされてましたね(笑)

いやぁ、しかし僕も狛さんの影響を受けたんですかね。
巨木とは言えないですが最近は木を撮ることが増えました。
>> 2016/02/22 07:59
すご!!!
こんなことされて撮ってたんですか。
私みたいな素人は、言われなきゃ気付かない世界です。
さらに、説明していただいたのに
半分もわからない世界!!
男の人って凝りますよね。
変態チックな狛さんに、親しみが・・・(笑)
>> 2016/02/22 22:34
RYO-JIさん>
興味があればぜひ使ってみることをお勧めします、メリル。
クワトロってのもあるんですが、あの形状は見るからに「わたしはあほです」って言ってるようなもんなので、パスで(笑)。
いや、あほなのか。
賢い人はもうとっくにフルサイズ一眼を使っているところです。
でも、メリルで慣れると、たいていのフルサイズなんか……という、あれは魔物ですね。
実はひそかにプリントアウトしてアルバム化していたりもするので。

僕もタフな防水コンデジほしいんですよ。
いいですよね、あれ…。

>> 2016/02/22 22:44
atushiさん>
苦労は買ってでもしろ、って言うでしょ。
メリルについては、ほんと苦労を買ったようなものです…。
これで写りが凡庸だったら、怒り狂って不燃物に出しますよ。
ぽろっと出るすごいのが手に入れたくて、続けてしまうんです。
そういうところはちょっとフィルムに近い感じも。

atushiさんもぜひ巡ってみてください。
実際見に行くと、いろいろ感じるものがあります。
そうだなあ、「川棚のクスの森」なんてどうです?
うわあ、僕が行ってみたいんですが!
>> 2016/02/22 22:53
ぴよ社長さん>
そう、こんな風な異常な感じで頑張っております。
一眼レフの時は普通に手持ちですが、これだと一番のが撮れますからね。
ぶつくさ言いながらがんばってるわけです(笑)。
まあでも、ちょっと工夫しないといけないって方が楽しいかもしれませんよね。
ものすごくきれいに撮れるけどものすごく簡単、なんてのだと、それはまた違うような気がしてきます。
…いや、それはそれでいい?
僕自身がいらなくなりそうですね(苦笑)。









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狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
「旅の、まだ途中」
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