2016/08/30//Tue.
巨樹を訪ねる 川連のほおの樹
kawatsura1609.jpg
K-1/ SIGMA 28mmf1.8 EX DG

 その存在を知ってから、どうしても見たかった樹がこれです。
 「川連(かわつら)のほおの樹」は、幹周11メートルに近い、日本最大のホオノキの巨樹です。

 秋田県最南の湯沢市、秋ノ宮温泉の近くに川連地区はあり、とても緑豊かな土地柄です。
 緑にも色々あるように、例えば林業地帯でも緑は緑ですが、この辺りは広葉樹が多く見られ、植生は複雑そうです。
 道中、ホオノキもいくつか見かけました。
 葉っぱが大きいのでよく目立ちます。

 いつも通りちょっとばかり迷ってから細い道を入って行くと、遠くからもよく目立つその樹、巨大なその姿が目に入りました。
 他の比較すべき樹木が周囲に生えていませんが、質素な神社を覆うような姿は見間違いようのない気配を発しています。
 「あれじゃないかな?」とは決して言わず、最初に目に入った途端、「あれだ!」というような。

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 ホオノキはモクレンの仲間です。
 分布は全国に渡るということですが、本数自体はそんなに多くないのではと思います。
 海縁や乾燥地帯にはあまり向かず、山がちな土地に多いのかもしれません。
 もともと大きく育つ樹ということですが、巨樹(目通りの幹周が3メートルを超える)として認識されているものは少ないらしく、ましてや10メートル以上もあるものはこの「川連のほおの樹」だけ。
 飛び抜けた日本一の樹であるわけです。 

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(クリックで拡大)

 ホオノキの外見的な特徴は、何と言ってもこの大きな葉。
 差し渡し30センチ以上もあり、よく知られているように、いい香りと殺菌作用があって、おまけに厚手で丈夫。
 寿司や餅や弁当を包んだり、はたまた火にも多少強いということで朴葉味噌なんかもやったりしますね。
 田舎的風情があっていいなあと思います。

 花も白くて巨大でゴージャス。
 6月頃来て、是非花が咲いているところも見てみたいです(これまた6月は連休が無いんですけどね……苦笑)。
 花が終われば実がなる。
 中央付近に写っているトゲっとしたものがホオノキの実です。
 
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 色々と個性的な特徴を持つホオノキですが、他にも、多感作用(アレロパシー)が強く、根から放出される物質によって、他の植物の成長を抑えるという性質があるとのことです。

 上の写真の中、一本だけ樹皮の違う細い幹がありますね。
 これはおそらくクヌギだと思うのですが、ホオノキの根元からよく生えて来たな、といったところ。
 成長速度の違う2種の中で(おそらくホオノキの方が成長が遅い)、クヌギをむしろ負けずに呑み込んでしまいそうなところ、やはりそれもアレロパシーの作用がある証拠なのかもしれません。

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(クリックで拡大)

 大きく広がった枝の間に入ってみると、まるで大屋根のように大きな葉が頭上を覆い尽くします。
 圧倒されるよりも、この時は何だか、すごく安心感を感じました。

kawatsura1611.jpg
(クリックで拡大)

 思うに、古代の人は、こういう感じを味わって、ホオノキの大きな葉で屋根を葺いたり、敷物を作ったり、食器代わりに使ってみようと思ったのでしょう。
 森や原野でひとりで暮らさないといけないとしたら、僕はこの樹の根元にいたいな、と、そんなことを思いました。

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 二股に別れた巨大な幹。
 ホオノキがどれだけ長寿な種なのかはわかりませんが、実際かなり高齢なのは間違いありません。
 樹皮はきめ細かいとされていますが、ところどころ割れたようになっているところもあり、また、反対側の根元では空洞になっている箇所もあります。
 しかし、樹勢はまだまだかなり盛んで、葉が主張する分、生命力に満ち溢れているように見えます。
 日本一のホオノキとして、ぜひとも末永く元気な姿でいて欲しいと願います。

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 樹と。
 本当におおらかな樹という印象を受けました。
 大花の開花を待ったり、葉っぱを拾ったり、一年を通してこの樹と付き合えたら素敵だろうなと思います。
 「見られて良かった」と思うのはいつものことですが、「また絶対見に来たい」と思う樹はやはり別格。
 とてもいい樹でした。

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 解説文。
 樹高は10メートルとありますが、実際はもっと高いと思います。
 道しるべだったということは、やはり昔から周囲はこういう開けた光景で、目立つ樹だったのでしょう。

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 ほおの樹の葉と。
 かなり乾燥していてもばらばらに砕けたりはせず、もらって帰って我が家に飾ることにしました。


「川連のほおの樹」
秋田県湯沢市秋ノ宮川連 千代世神社
樹齢:500〜600年
樹種:朴の木
樹高:10メートル
幹周:10.7メートル

>> 2016/08/31 07:53
葉っぱの丸さや幹の白さ
雪国秋田の人情を想像させるからなのか
やわらかい、優しい印象のする木です。
ご本人と並んだ写真があってよかった。
想像以上の大きさでした。
下から4番目の写真が好きです。

「森や原野でひとりで暮らさないといけないとしたら、
僕はこの樹の根元にいたい」
納得の名言です。
>> 2016/08/31 21:42
これ、ちょっと凄いホオノキですね。
実は我が家にあるんですよ、ホオノキが。
幹周はせいぜい数十センチですが、樹高は2階を越えるくらいのが。
これです↓↓↓
http://jomu90.blog23.fc2.com/blog-entry-501.html

そういう訳でホオノキは興味があるんですよ。
で、県内に幹周6mを超えるホオノキがあるらしく、しかもそれが日本一だという情報があったんですが、
まさかそれを大きく超えるこんなホオノキがあったなんて驚愕です!
実際にこの目で是非見て見たい。

うちのはヒョロ長くて、風が吹けばユラユラ揺れて頼りない感じですが、
これは何があってもどっしりと構えてて動じない感じが凄まじい。
大洪水にも負けなかったいう武勇伝まであるなんて逞し過ぎです。
本当に同じホオノキとはとてもじゃないけど思えないですよ。
どうやったらこんな幹になるのか・・・。

そんなホオノキですが、やはりその最大の特徴である葉っぱがいいんですよねぇ。
晴れた日に下から見上げると、なんだか元気が出る感じがするのです。
だから狛さんが、この樹の根元にいたいなっと思う気持ちはすごくよくわかります。
落葉すると、その葉っぱの大きさゆえに庭が多い尽くされますけど(笑)。
花も綺麗だし、葉が落ちる時も目に入るし、そこそこ大きな音が鳴ったりと
一年を通して気にかけたくなる木なんですよねぇ。

いや~、今日はいつも以上に興奮してしまいました(笑)。
>> 2016/08/31 22:22
わたしは上から5番目の写真が特に好きだなぁ。
ホオノキと聞いて朴葉焼きをすぐに想像している私は食いしん坊万歳。
>> 2016/09/01 05:45
ぴよ社長さん>
実際は巨樹の本やサイト以外には目立つものも何もなく、それゆえに見るまではどの規模なのかわかりませんでしたが、僕としても予想を超えた驚きをもらえました。
そして、おっしゃる通りの、どこか優しさを感じるような印象。
杉の巨樹なんかに時折ある厳めしさはなく、守ってくれそうないい樹でしたね。
ただ大きいというだけでなく、こういう印象というものも大事にして樹を見て行きたいなと思うのです。
>> 2016/09/01 05:57
RYO-JIさん>
ホオノキを育てていらっしゃるとは、ちょっとうらやましい(樹を植えられる庭があるのも)。
確かに、枝数が少ない部分ではプロペラみたいに見えますね。
太陽光で進むプロペラかな。
もっと大きくなることを夢見て、大事にしてあげてくださいね(RYO-JIさんなら安心ですが)。

奈良県のは「戒場神社のホオノキの巨樹」という樹でしょうか。
調べてみてもホオノキの巨樹というのはほとんど例が出てこないので、貴重ですよね。
それだけにまた、他の樹種にないような強い印象を与えてくれる気がします。

自分好みの樹を庭に植えて育てる……うーん、最近、いいなあと思い始めました。
もちろん今回の探訪でホオノキはそのリスト上位に入ってきたわけですが、RYO-JIさんの話を聞いて、なおさらいいなと思いました。
こんな立派な姿を見ることなく、自分が先に旅立ってしまうのは無論ですが、逆に言うと、自分の死後も長く長く生を続けてくれるのだとも言えます。
開花や、落葉などで確実に季節を刻みながらね。
素晴らしいことです。
>> 2016/09/01 05:59
さかしたさん>
姿形に変化があり、個性的でもあって、見どころの多い樹でした。
樹冠下では、それこそずっとこうして見上げて過ごしていたかったです。
さすがに生の葉を摘むわけにもいかず(というか、届かない)、僕も朴葉味噌とかで朴葉の香りをかいでみたくなりました。
有用で、興味深い植物ですね(笑)。








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スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

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「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
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