2016/09/04//Sun.
巨樹を訪ねる 浅舞のケヤキ
asamai1604.jpg
K-1 / FA35mmf2 / SIGMA 28mmf1.8 EX DG

 こんこんと清水が湧く「琵琶沼」のほとりに、その豊富な清水で育ったこと間違いない、大きなケヤキがありました。

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 「槻」とは、もともとケヤキを指す言葉です。
 大槻、のような地名が各地にあるのも、そこに大きなケヤキがあったということなのでしょう。
 この樹も実に立派。
 どっしりとした幹の存在感が圧倒的です。

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 とは言え、巨樹を好んで見て歩くようになると、どうしてもケヤキやスギは見る目が厳しくなります。
 実際、幹周8.3メートルというのは、かなり大きいことに間違いはないのですが、ケヤキの巨樹としてはそれほど驚くべきものではありません。
 しかし、ただ大きければいいというものではなくて、その樹の個性や周囲の環境や生い立ちみたいなものも含めて、巨樹という存在を味わいたいな、というのが、自分の巨樹探訪のテーマだと思っています。

 そういう観点で、このケヤキの個性はと言えば、まずはみっしりしたこの幹。
 枝には折れたようなところがあるものの、幹自体は若々しさも感じられるかのようで、傾きもない。
 ケヤキの巨樹の理想の形に近いと思います。
 そして何を置いても、このケヤキを含めた周辺の環境、雰囲気が良いと思うのです。
 
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(クリックで拡大)

 琵琶沼のきれいで豊富な水を、このケヤキは間違いなくたくさん飲んで育って来たでしょう。
 また、巨樹となったケヤキを視界に入れつつ眺める琵琶沼もまた、樹をこれだけ大きく育める豊かな水辺として、より印象深く映ります。
 琵琶沼には、下まで降りて行ける古い階段のようなものもついており、昔は水を汲んだり、ものを洗ったりと使われていたはずです。
 そして文字通りの「井戸端」としての木陰を、この樹が落としていたのでしょう。
 そういった物語を描けるのこそ、いい樹の証しだと思います。

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(クリックで拡大)

 そう、これだけ立派な樹でありながら、寺社のご神木ではないというのも面白いです(しめ縄的なものが付けられてはいますが、神社はありません)。
 根っからの、市井の大きな樹ということなのです。
 目の前には水辺、裏手には保育園があります。
 ケヤキの樹が、保育園や学校の近くに植えられていることが多いのは何故なんだろう……というのは、ちょっと興味のある共通点です。

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 解説文。
 この樹の隣には鷹を弔ったという塚があります。
 藩主の鷹狩の鷹が、飛んでいる最中に何者かに両目を縫い針で貫かれて殺されるという事件があり、だとするととんでもない武芸者ではないかと藩主はその者を探したが、すでに姿を眩ました後だったという。
 手裏剣の名手はその地の浪人で、藩主の鷹だと後で知って逐電してしまったとのこと。
 鷹よりもその人材を惜しんだという、そういう昔話のようです。

 ケヤキの横には、江戸時代には司法機関である「御役屋」があり、その門だけは今も裏の保育園に移設されて残っています。

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「浅舞のケヤキ」
秋田県横手市平鹿町浅舞
樹齢:500年
樹種:ケヤキ
樹高:25メートル
幹周:8.3メートル

>> 2016/09/05 07:44
不思議な言い伝えが多く残る木ですね。
けやきは仙台でも多いのですが
こんなに大きいのは見ません。
「個性や周囲の環境や生い立ち」を含めて
味わいたいって、いい事ですね。
人間もそういう目でみていきたいと思いました。
びわ沼、街中で湧いているんですね。
>> 2016/09/05 22:23
いや、鷹のことももっと惜しんで藩主…。

ケヤキを見る目が厳しくなるのってなんとなくわかるような。
生まれ育った町の木がケヤキなんですけど高いて太いのなんか当たり前のようにごろごろしているんですよ。
当たり前だから狛さんのような着眼点で見ることもなかったなぁ。
>> 2016/09/06 20:43
ぴよ社長さん>
周辺環境も含めて個性っていうのは少々強引かなと思ったりもしますが、ものが樹なだけに、風景でもあるわけだし、アリですよね。
あ、でも確かに言われてみれば、人もそうやって見たっていいわけですね。
でも人はなあ……人だからなあ……(駄目)。
びわ沼はいいところでした。
まさにオアシス(笑)。
>> 2016/09/06 20:47
さかしたさん>
まあ、大事に思ったから塚もできたんでしょうけど、きっと昔はそれだけ人の命も軽かったってことなんでしょうね。

分布域が広いし、きっと丈夫な種なんでしょうね、ケヤキは。
それでも、その辺の街路樹とこういうのは明らかに違うわけなんですけど、逆に、街路樹がみんなこういうレベルにまで成長したらどんなだろう? と、たまに思います。
大事にしたらそんなになるんだろうか……。
幹周8メートルなんて、他の種だったら大変なことです。
>> 2016/09/09 21:44
狛さんの巨樹探訪のテーマ、それを知ってなるほどなぁっと激しく同意。
巨樹に興味を持ったのは、神社などで見かける杉が始まりかもしれません。
最初はその巨大さだけに感動していましたが、徐々にそれとともに、
その巨樹付近にある解説文を読んで謂れや生い立ちを含めて楽しむように。
(写真を撮る身としては、解説文の看板の位置にはもう少し配慮してほいと思うことも)
見るだけではなく、歴史や環境から色々と考えさせられることもあって
ますます奥が深い世界だと思いますね。

で、このケヤキもそういう意味で興味深いですよ。
琵琶沼なんていう清水の側に存在しているだなんて。
その真っ直ぐな立ち姿も環境が良いからなんでしょうねぇ。
手裏剣の名手の話も面白い。
>> 2016/09/10 06:51
RYO-JIさん>
ただ大きいだけの樹ということでは何百年も残ってはいけないですもんね。
そういう歴史を読んでいきたいところがあります。
建築にも同じことが言えると思いますが、巨樹の場合、それがとんでもなく長い時間を秘めて現存している、しかも今も生き続けているわけで、ひときわロマンがあると思うのですよね。
そうそう、解説看板は時に邪魔なとこに立ってますよね(笑)。
どこから撮っても樹と被っちゃうじゃん! とか。

幹周8メートルクラスなんてごろごろある、とか言われそうだなと思いつつ、そういう環境とか言われを見てみると、個性を感じることができます。
そういう意味では同じ巨樹というのは無いはずだし、いっぱい訪ねて見て行きたいなと思います。








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スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

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・写真展(2013.2)・
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