2016/11/16//Wed.
巨樹を訪ねる 諏訪神社の大楠
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K-1 / SIGMA 28mmf1.8 EX DG (写真はクリックで拡大)

 千葉県の太平洋側の真ん中あたりに位置する長生郡。
 緑豊かなのどかなところで、海沿いはサーだのファーだのいう人たちが多いところです。
 九十九里浜といえば、県外の方にも通じるのではないでしょうか。
 その長生郡の内陸、睦沢町に、幹周9メートルを誇る楠があると知り、出張がてら行ってみることにしました。


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 樹があるのは、諏訪神社の境内。
 10数メートルほど高くなっており、そこへ登る石段の急なこと(写真ではなぜか緩やかに見えますが)。
 手すりを離すと仰け反ったまま落ちそうになります。
 石段の頭上に張り出したこのイヌマキの樹もなかなかのもの。

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 登りきったところにある諏訪神社。
 丘のてっぺんを均して境内にしたような地形で、取り巻くように竹林や雑木林が茂っています。
 その右手を見てみると……

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 ありました。
 これがその大楠です。
 茂りに隠れているところもありますが、トップの写真を見て、多くの方がこの樹の樹形というものに疑問を感じられたのではないでしょうか。
 それで合っています。
 どんな形をしているのか、つぶさにわからない。
 大楠は斜面に根を張りながら、半分方崩壊しつつあるのです。

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 しかし、少し回り込んでみると、左手側の半身はまだ健在で、枝もこちら側から伸びています。
 この角度から見て初めてこの樹の幹の巨大さがわかるというところ。
 幹周9メートルというのは、特に大げさではなさそうです。

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 正面に戻って、全体像を見てみます。
 一枚前の写真と交互に見るとわかりやすいのですが、すぐそばからひょろ長いケヤキの木が伸びており、楠の枝と接するところでちょうどYの字になって、枝を支えるような形になっています。
 おそらく、ケヤキがぐんぐん伸びて行った先に大枝があり、ぶつかってYの字に分岐したのでしょう。
 しかし、せっかく添え木みたいに育ったのに、今では楠の大枝は折れたか枯れたか、すでにありません。

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 樹を取り巻くように斜面を登る足場が作ってあり、楠にはかなり接近することができます。
 寄ってみると、右半身は明らかに白骨化していて、今にも崩れ落ちそうです。
 急な斜面に立っていて、大枝の重量と重力に引き裂かれて倒壊しないか、心配になりました。

 裏側はどうなっているのだろう、と、危なっかしい単管パイプの足場を登って行こうとして……思わず、半ば飛び降りてしまいました。
 おそらく、茂みに巣があるのでしょう、人差し指ほどもあるオオスズメバチが哨戒しているではないですか!
 ちょうど顔の高さくらいを飛びながら、大きな羽音を立てて旋回し、明らかにこちらを威嚇しています。
 いかに樹を見にここまで来たとは言え、コレを無視できる人はそうはいないんじゃないかと思うのですが。
 そういうのをプロ根性と言うかは別問題、深追いはやめることにしました。

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 樹と。
 スズメバチの目を盗んで、かろうじて一枚撮りました。
 あまり枚数は撮れませんでしたが、ご神木としての風格十分、見応えがある樹なのは確かです。

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 解説文。
 江戸時代にはすでに「盤根半石と化し」と書かれるような巨樹だった様子。
 802年の伝承が正しいなら、樹齢は1200年あまりになります。

 楠は関東にも普通にあるものの、やはり本場は温暖な西日本や九州のようで、この樹のように幹周が9メートルもあるものは滅多に見られません。
 ぜひ長生きしてほしいところですが、ここまで傷んでしまうと、なかなか難しいかもしれません。
 
chosei1609.jpg

 もしかしたら、楠は、「放っておいてくれ」と言っていたのかも。
 その意思を、蜂を使って伝えて来たのかもしれない……などと思いながら、一礼し、その場を後にしました。


「諏訪神社の大楠」
千葉県長生郡睦沢町上之郷
樹齢:1200年
樹種:クス
樹高:23メートル
幹周:9メートル
>> 2016/11/16 22:31
確かにこちらでは楠の巨樹がたくさんありますが、そちらでは珍しいみたいですねぇ。
いつも見る元気な楠の巨樹と違って、痛々しい姿の楠は衝撃的で印象的。
1枚目の位置から見るイメージと実際の状態は全然違いますね。
なんだかおかしな表現ですが、表情豊か。
育ちにくい関東にあって、ここまでの姿へと成長するだなんて・・・。
そういう意味でも本当に貴重な楠ですね。
ぜひとも永く生き残ってほしい存在。
云われも真実味があって、1200年は本当だと思えます。
大きさからも疑う余地はないでしょう。

スズメバチはダメです、チョー苦手。
私だったら即行で撤収します(笑)。
この楠を守るための戦闘員なんだろうとか思ってしまいます。


>> 2016/11/16 23:44
朽ちるのを待ってるように見えました。
ここまで来たら朽ちて本望というか。

スズメバチはわたしもダメだわぁ。
スズメバチじゃないけどアシナガバチに刺されてからもう苦手。
戸隠に行って宝光社から中社まで神道歩こうと思ったらスズメバチに注意の看板が出ていておとなしく車道の端っこ歩きました…。
>> 2016/11/17 09:17
半分は朽ちていきながら半分は成長しているって
植物はおもしろいです。
こんなになっても生きているんですね。
危ないから補修しようとか思わずに
このままそっとしておいてほしいなと思ってしまいました。
自然に自然に。
>> 2016/11/17 20:07
RYO-JIさん>
あるにはあるみたいなんですが、巨樹に育っていないのは何故なんでしょうね。
それだけクスが気候に敏感なのかもしれないですが、クスの仲間でも、イヌグス、つまりタブの方が大きくなっている気がしますね。
房総はそれでもかなり温暖な方だから、ここまで育ったのでしょうね。
何度か書いていると思いますが、一度、本場のクスの巨樹を見に行きたいものです(笑)。

RYO-JIさんもお気をつけて。
ひょっとしたら樹の中に巣があるかもしれず。
以前の「沼のビャクシン」のときは、刺されましたからね。
あれはミツバチだったけど(でも痛い)。

>> 2016/11/17 20:12
さかしたさん>
スズメバチの敵意に満ちた感はすごいですよね。
どうしたって友達になれそうにない、ヤクザみたいなもんじゃないかな。
そう、遠出してった先でああいうのに因縁をつけられた時、諦められるかどうか。
深追いして大怪我したらシャレにならんのですけど……。
常備すべきは防護服か。
それもやりすぎ……。
>> 2016/11/17 20:19
ぴよ社長さん>
こういう凄まじい様相を見ると、植物こそ生物の頂点かもなと思ったりもします。
斜面がとても急なので、このまま行くといつか右半身がぶっ壊れて崩落すると思います。
でもきっと左半身はそのまま生きてくんじゃないかな……。
強いですよね。








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スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
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