2017/04/08//Sat.
巨樹を訪ねる 安良川の爺杉
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K-1 / SIGMA 28mmf1.8 EX DG / FA35mmf2

 茨城県高萩市と言っても、全国区ではまずピンとこないと思いますが、南北に長い茨城県でもかなり北の方、あとは文字通り北茨城市を残して福島県に至る、少しだけ北国の感じがしてくるような土地柄です。
 海に背を向けて進めば、山は深くなり、渓谷なども増えてくる。
 そこに、数少ない国の天然記念物に指定された杉の巨樹があると知って、まっすぐ走って見に行ってきました。


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 その杉は、安良川八幡宮という神社の神木だそう。
 一本入った所にあり、主要道路からは見えませんが、この巨大な鳥居からして、立派な神社であることが伺い知れます。

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 参道には杉並木。
 これもかなり立派なもので、樹高30メートルはあろうかという逞しい杉が林立しています。

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 数百メートル行って、これが本殿。
 しゃんとして、綺麗な建物です(水平をなぜか外して写真はしゃんとしてませんが)。
 それもそのはず、2005年頃に改築されたばかりだとか。
 尻をあげている狛犬が気になりつつも、挨拶がわりにお参りを済ませます。
 巨樹はどこかな。
 ゆっくり周囲を回って、探していきます。
 ちょっと知恵を働かせたり大胆に動いたりすると見つけてしまうから、多少わざとらしくじっくりと。
 (本当はもう見えています)

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 社殿の裏手に回って視界がひらけた時、梅の樹とともに、その巨大な老樹は姿を現しました。
 この初見のドラマチックさが、やはり巨樹探訪の醍醐味です。
 これを大事にしていきたい。
 ……などと言ってる余裕もなく、衝動に任せて駆け寄りましたが。

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 巨樹、その名も「安良川の爺杉」。
 樹齢1000年を超えるという老杉です。
 これまで見てきた杉並木の杉と比べても歴然、その名の通りの長老といった感じの風格。

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 かつてはたくさんの枝を持っていたのだという証が、瘤のように幹に残っています。
 現在の樹高は35メートル。
 これでも十分に高いのですが、樹勢が衰えてきたため、先端を10メートルほど切断処置してあるとのこと。
 幹周り約10メートル、樹高45メートルというのは、杉の巨樹の図体としてもかなり立派だったはず。
 国指定天然記念物に選ばれたのも当然だったのかも知れません。

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 しかし、現在の姿を見ると、「爺」というにも、いよいよ晩年という感じが拭えません。
 幹は半分がた白骨化し、樹皮は剥がれ落ち、大きな空洞が口を開けてしまっています。
 片側に損傷が集中しているからか、根の部分もコンクリートのようなもので固定されており、そればかりか、太いワイヤーが何本も幹を牽引して倒壊を防いでいる状況。
 さらには、避雷針とアース線まで取り付けられているようで、しめ縄が目立たなくなるような有様。
 人間にも、チューブや機器を取り付けられる生命の終わり方がありますが、痛々しくもそんな想像をしてしまいました。
 
 とはいえ、枝を下ろしたり10メートル身長を短くしたりという処置もあってか、一時期よりも樹勢は回復したとの見方もあるようです。
 1000年生きて、こんな姿になってなお、まだ復活する。植物ってすごいよな。
 と、そう思って、ふと考えてみると、人間だって100年生きる。
 そして、100年生きる間には、およそどんな人だって、いろんな怪我や病を克服することになるわけです。
 だからこそ、こんな巨大な樹の生き様に、自分の生を反映し、感情移入することもできるのでしょうね。
 もちろんこの「爺杉」には、どんな姿になろうとも、これから先も立派に立ち続けて欲しいと願うばかりです。

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 解説文。
 「じいすぎ」、「じじすぎ」、「おやじすぎ」など、愛称がいくつかあるらしいです。
 周囲の杉からしてみれば、確かに世代を超えて、そういう存在であるのかも知れませんね。


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「安良川の爺杉」
茨城県高萩市大字安良川 安良川八幡宮
樹齢:1000年
樹種:スギ
樹高:35メートル
幹周:9.9メートル

>> 2017/04/08 23:56
いかん、狛犬氏のインパクトが強すぎて諸々情報が入ってこない…。
参道が戸隠神社奥社みたいでいいなぁ。

じいちゃんは狛さんのこと待ち構えてるように見えますね。
>> 2017/04/09 21:59
さかしたさん>
けつを叩いて遊べ、ほら早く! と言って変なテンションになっているうちの犬様とおんなじポーズなんですよね……。
立派な神社でした。
1000年ここに居ると言っても、いつお別れになるかわからないのが老樹というものだと思っています。
会いに行けて、まずは良かったです。
>> 2017/04/10 21:17
爺スギ・・・
まさに、名は体をあらわす!
痛々しい樹形ですが、そんな自身の老いを理解し、受け入れつつも、
泰然自若とした姿が素晴らしい巨樹だと感じました。

手入れされた後に復活されているとのことで、今後もその勇姿を見せ続けて欲しいですね!

立派な杉林の参道の奥に、こんな巨樹があるというのはいいですね。
段々気分が高まってくる感じがします。
そして、初見のドラマチックさ。
ほんとそれこそが醍醐味ですよ。

桜の巨樹も覚悟して楽しみにしてますよー(笑)。
>> 2017/04/12 06:59
RYO-JIさん>
樹によっても色々、1000年生きてもまだまだという見た目の樹もあれば、この爺杉のように1000年の重みを感じさせる樹もありますね。
幹周約10メートルと、でかいんですが、どこか痩せた感じもします。
細々とでも、ワイヤーに引っ張られながらでも、長生きしてほしいですね。

杉ばかりが続いてしまったので時期の桜を頑張って訪ねて来ましたが……桜ってやっぱり難しいですね(苦笑)。








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