2017/05/14//Sun.
伝説の杉群落をもとめて(1)
uozu1705.jpg
K-1 / FA35mmf2
VANTRUE X1 / Drive Recorder

 不自然なまでに青い青い、片貝川の雪解け水。
 水門みたいなところで深くなると、驚くような色を見せます。
 車から降りたら逃げちゃったけど、ニホンカモシカもこんにちはしました。


 富山県魚津市に降り立った目的は、この筋では有名かつ伝説的な杉の巨樹の群落を訪ねることでした。
 その名、「洞杉(どうすぎ)」群。
 何でも、山に分け入る人の間ではその存在が知られていたものの、公式な調査が行われたのは最近であり、その神秘的な生態と驚くべき姿で注目されている、とのこと。
 この高度情報化時代、もちろんネットで検索すれば、何かしらの写真やデータを簡単に見ることができますが、それで足りるのなら500キロも走って来ません。
 巨樹に圧倒されるあの感覚は、写真で撮る努力をしつつも、やはり前に立って自分の身体で感じないと。
 写真で伝わるものは、良くて18%くらいじゃ無いかな。

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 で、その杉の群落、どんなすごいところにあるのかと思うのですが、道順自体はシンプルで、魚津市を流れる片貝川をどんどん遡り、自動車で行けるところまで行く。
 まるきりの山中というよりは、道があるところのようです。
 コンビニでパンとコーヒーの朝食を終えて出発し、小一時間きれいな山里の風景を眺めながら走る。

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 水力発電所なんかが登場し、やがて対向車が来たらやだなと思うような道になり(来ちまったよ)……いい加減もうじきじゃない? と思い始めたら、実際道が途切れました。
 ここで杉の群落に至る情報をまとめておきましょう。

 ・環境保護のため、車で行けるのは、案内板のある手前の駐車場まで。
 ・駐車場に車を置いたら、そこから片道2.5キロは徒歩。
 ・杉は川沿いに生息しているものを間近で見ることができる。
 ・熊出没注意。
 
 情報は地元の方のブログ記事(写真もあるし、わかりやすい)でつかんで行ったのですが、のっけからその駐車場とやらが見当たりません。
 おいでなすったな、このパターン。
 とは言え、道がないので、車でこれ以上進むのは無理です。

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 少し戻って見直してみると案内が出ており、どうやら、脇道に入るらしい。
 ガッデム(英語)、そこは落石やなんかのために通行止めになってるじゃありませんか。
 
 車が、ってハナシだろ?
 じゃあ歩けば良い。
 他の人たちも停めてる空き地に停め、荷物を背負いました。

 逡巡。
 三脚はどうするか。
 滅多に出会えないであろう巨樹が相手ですから、じっくり三脚を使って対峙したい。
 しかし、最低でも2.5キロ歩くという状況では、きっと途中で谷底とかに捨てたくなるに違いない(心情の話です)。
 迷った末、三脚は置いて行くことにしました。
 勿体無い、とカメラマン諸兄は言うでしょうが、この選択がのちに重要な明暗を分けることになります(大げさだけど、そう)。

 それにしても意外だったのが、その辺りの車の多さです。
 5月と言えどまだ春、渓流釣りや山菜採りの人たちでした。

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 見てみれば、確かにワラビみたいなのとかフキノトウみたいなのがそこら中にニョキニョキ出ていて、これ全部食えるとしたら、大変なことだぜ。
 カタクリの花ってのも、本当に咲いているのを見たのは初めてです。
 関東平野には無いですもんね。

 涼しげな富山の春の中、颯爽と川沿いを歩く。
 程なくして「熊注意!」の恐怖看板。
 ああそうだ、熊だよクマ、旅においては毎回いろんな忘れ物をしますが、今回の忘れ物は熊よけの鈴です。
 そんなの要るかいな? と疑ってしまう平野民ですが、車を停めたところですれ違った釣り師のおっさんは、リュックに2個もそういうのを下げてました。
 どうしよう、と迷った末に思いついたのが、鍵束をポケットから出し、カラビナで外側に下げるということ。
 田舎のヤンキーがよく無駄な鍵束やチェーンをジャラジャラさせてて、うるせえなあ、と思うのですが、この時にあっては、自分ももっと豊かな(?)鍵束が欲しかったもんです。
 これで、鈴とは違う音だけど、絶えず物音はすることになる。
 加えて、話し声などでも熊は寄ってこないと言います。
 なんだったら、歌ってもいい。
 あるーひ、もりのなーか、くまさーんに……は絶対に出会いたくないので、クイーンでもいいか?
 マ・マー、フゥフー、と、ボヘミアン・ラプソディを歌ってもいいけど、歌詞がわかんねえので適当になって、チャンピオンやバイシコーが随所に出て来ますが、その曲は父から借りたアルバムには入っていなかった(根に持ってる)。

uozu1709.jpg

 正統派清流という感じの片貝川。
 しかし、しばらく歩いても、杉の群落はおろか、ブログ資料で見た「駐車場」……つまり本来はそこまで車で行ける……も出現しません。
 これはどうしたことか。

 すると、向こうからやってくる人影があります。
 小さかったそれが大きくなるにつれ、その男性の胸元にカメラを認めることができるじゃありませんか。
 ミラーレスとは、歩くのに楽な選択で。
 向こうもこちらが肩から下げたカメラを見て、自動的に会話が始まります。
 曰く、その人もちょっと興味があって杉を撮りに来たのだが、いくら行っても手がかりがないので、不安になって引き返して来たと。
 ……なんだって?

その人:「全く、どこまで行っても何も無いんですよ。これじゃキリがない。私は戻りますよ」
自分 :「……」
その人:「行くんですか? 何も無いですよ」
自分 :「ありがとうございます、せっかくなんで、僕はもうちょっとだけ進んでみます」

 愛想よく手を振って別れたけど、内心は、自分の目で見て判断したものしか信じないぜ、という強い気持ちでした。
 そうなの? じゃあ僕も一緒に戻ります……なんて言うわけねえだろう。
 ちょくちょく来れる場所じゃないんだよ。

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 結果、そこから数十分、ゆるい林道のような登坂の道を歩き続け、ありましたよ、駐車場が。
 そう、ここから2.5キロの徒歩パートが(本来)スタートです。
 おそらくここまで1キロくらいはあったはず。
 往復5キロならなんとかなるかあ、と思っていましたが、つまりは実際7キロ歩かねばならないと言うことです。

 ……よし、行ってやるか。
 帰ったカメラマンよ、この道で合ってたぜ。
 準備体操の真似事だけして気分をリセットして、また歩き始めました。
 
(つづく)
>> 2017/05/14 21:12
ええ~、まさかの(つづく)ですか!
むむむ、もうこれは正式に抗議しないと(笑)・

いやぁでも、相当苦労されたうえにたどり着いたんでしょうから、
一話完結では勿体無いですよね。
出し惜しみもやむを得ないでしょう(笑)。

その神秘的な生態と驚くべき姿というのも期待感を盛り上げてくれますよ。
後編、いや、タイトルに(1)とあったので二話完結とは限らないですね。
いずれにしても、大いに期待してます!!
>> 2017/05/14 23:35
ちょくちょく来れる場所じゃないんだよ
…ほんとそうだよねぇ。
意地でも行くよね。
わたしは直ぐに行き返す根性なしですけどね。

続きが早く読みたい!!
>> 2017/05/16 05:21
RYO-JIさん>
この先がまだあるんですな。
なかなかの骨折りだったので、これは皆さんにも付き合っていただかないと(笑)。
続きを読んでもらったら、きっとその意味がわかる……多分……。

2話完結です(キッパリ)。
しかし、ちょっと迷って、「洞杉群」とまとめてしまうよりも、特徴のあるのを何本かそれぞれ取り上げるという構成にしようかと。
それだけのインパクトはあったと思うので、お楽しみにどうぞ。
休みないけど頑張って写真まとめます。
>> 2017/05/16 05:24
さかしたさん>
次の休みにまた来れるんならいいですけどね、500キロ走って来てすぐアタックでしたから、根性見せないと、とか思ってました。
そういう奴からクマに喰われるんじゃねえか、と、途中で思ったりもしましたが……。
続き、よろしくおつきあいください(笑)。








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狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
「旅の、まだ途中」
(Web版が見られます)



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