2017/07/09//Sun.
巨樹を訪ねる 高照寺の倒スギ
noto1741.jpg
K-1 / SIGMA 28mmf1.8 EX DG / FA35mmf2 / CZJ Pancolar 80mmf1.8

 珠洲市の内陸部から日本海沿いへ戻り、能登半島の最先端部を周遊し、南下してきました。
 日が傾き始めましたが、ここまで来たら見逃すわけにはいかない巨樹がもうひとつあります。
 これもまたもやとびきりユニークな樹らしい。
 「高照寺の倒(さかさ)スギ」。

 ですが、とりあえず到着して見てみた第一印象は……松?

noto1747.jpg

 いや、杉なんですね、これでも。
 これでも、なんて言っては失礼、とても立派な杉の巨樹です。
 しかしなんとも奇妙なことに、ほとんどの枝が下向きに向かって育ち、横方向に傘型にこんもりと葉を茂らせている様は、やはり庭師がそう形作った松のごとしです。
 では、もっと寄って、杉らしさを感じてみるとします。

noto1744.jpg

 どーん。
 かなりボリューム感のある、重そうな幹です。
 確かに杉でしょうが、しかし、やはり典型的な杉とはかけ離れた印象。
 もちろんウラスギで直線的な姿ではないのですが、この密度感のある寸胴単幹ぶりは、今度はどちらかというとケヤキを連想するかのようです。

noto1739.jpg

 極太と形容したい幹、そしてなんとも不思議なねじくれた枝。
 大蛇のようだとも思いつつ、いや、これはでっかい蛸だな、などとも思えて来ました。 

noto1737.jpg

 ちなみに立地は、市街地からもそう遠くない水田地帯のただ中。
 真言宗の古刹である高照寺の門前にあったという説明があるのですが、寺の姿はここからは見えません。
 昔はここまでお寺の土地だったということらしいです。
 珠洲市の観光パンフなどにも載っているので、撮っていると、パラパラと見物客が訪れます。
 「どう、撮れないんじゃないの?」
 なんて言ってった親父がおり、何を、と思って撮る自分。

noto1736.jpg

 枝ぶりを見事だなんて言って味わう杉の巨樹なんて、これまで無かったですね。
 横、そして下に向かった枝は、もう地面にまで届いてしまっている。
 これが、まるで樹を逆さにしたみたいだというので、「倒(さかさ)杉」という名前になりました。
 広大な枝ぶりがこの田んぼの中の島みたいな土地をほとんど覆っているため、引きで撮るのがとても難しい。
 広角でも仰け反って田んぼに仰向けダイブしそうになったので、これは隣の田んぼ区画から80ミリで撮ってます。
 西日の強烈な逆光の中、多少、ムキになってます。

noto1735.jpg

 蛸、なんて言ってしまいましたが、見る角度によって様々表情を変える枝ぶりは、結構味わい深いものがあります。
 これが盆栽だったら作り手の意思に感じ入るところでしょうが、ここまで超巨大なスケールがあるとなると、人ではなく樹そのものに意思を感じるようになります。

noto1746.jpg

 想像したのは、田舎の大人物みたいな性格でした。
 背は高くないがすごくがっちりした体格で、訛りがひどくて何言ってるのかよくわかんないのですが、知れば知るほど立派な人物に思えてくるというような……親しめて、尊敬できるような人物像。

noto1742.jpg

 どうしてこんな枝ぶりになったのか、というのは、この樹の場合は問わずともわかるような気がしました。
 こうなりたくてなったんじゃないかなと。
 とびきり大振りに、ダイナミックに、生きてみたかったんじゃないかな。

noto1745.jpg

 周囲を何周もぐるぐる回りながら見てみて、そんなことをだんだんわかって来たような感じがありました。
 巨大だけど威圧感はなく、親しみがわくような樹。
 この長大な枝も、なんだかこちらに向けて差し伸べられているような気がして……

noto1743.jpg

 思わず、握手。
 巨樹と握手(笑)。
 面白い、でっかい樹でした。
 会えてよかった。


noto1738.jpg

 解説文。
 樹高や幹周の数値を見ると、本当にそんなもんなのか? と思うような存在感があります。
 枝張り30メートルはすごい。
 昔話的には八百比丘尼(!)が箸を突き刺したらこの樹になったとの伝説があるそうです。


noto1734.jpg

「高照寺の倒スギ」
 石川県珠洲市上戸町
 樹齢:850年
 樹種:スギ
 樹高:12メートル
 幹周:6.74メートル
>> 2017/07/09 23:08
葉が杉だから杉なんだなーって思うけど遠めに見たら完全に松ですね。
世界って広い。
八百比丘尼の話気になって調べたんですけど、比丘尼てきとーすぎますね…w
>> 2017/07/11 05:59
さかしたさん>
松を目指してみました、という意思を感じるかのような不思議な格好の樹です。
この旅では、杉と一口に言っても本当に色々あるんだなと思いました。
有名な人たちがそこら中で箸やら杖やら筆やらぶっ刺してでかい樹にしていますね。
八百比丘尼も随分いろんなとこに出没してるもんです。
もっと隠者っぽくなかったかな。
>> 2017/07/12 21:24
杉ってほんと不思議な樹ですねぇ。
今回の旅の杉シリーズは、どれも個性的。
北陸のイメージとはなんか違う感じがして面白いです。
しかし、説明がないと、下に伸びた部分は別の樹としか思えないですね。
超巨大な盆栽ですよ、コレ(笑)。
にも関わらず、握手したくなるような親しみがあるとは・・・。
きっといいヤツなんでしょう!

撮るのがかなり難しい環境でも、アレコレ工夫する過程がいいなぁ。
そういう樹は余計に思い出に残るもの。
ああ、最近巨樹撮りに行けてないこともあって、無性に行きたくなってきましたよ(笑)。
>> 2017/07/13 23:33
RYO-JIさん>
杉ばっかりで杉多すぎ!って感じですが、個性の強いのにたくさん出会えて幸せです。
巨樹冥利につきるってやつです。
この倒さ杉に関しては、きっとこうやって造形した人がいたんじゃないかなと思うのですが、その割に自由に触れられて根元も歩けてしまうんですよね。
結構人が見にくるので、健康を損なわないように願うところです。
でも、この樹とは間近で触れ合いたいですね。

遠くまで出かけることもあって、できることは全てやろうと思ってます。
目指せ完全燃焼。
ああ、自分で言っててまたどこか出かけたくなって来ましたよ。








ブログ管理人にのみ表示を許可する

[TOP]



ブログランキングにも参加しています。
気に入った写真や記事があったら、押していただけると嬉しいです。

にほんブログ村 写真ブログ スナップ写真へ にほんブログ村 写真ブログ 建物・街写真へ にほんブログ村 写真ブログへ
プロフィール

狛

Author:狛
狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文。
スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」

・写真展(2013.2)・
「旅の、まだ途中」
(Web版が見られます)



カテゴリー検索と表示
<<全タイトル列挙 >>


最近の記事とそのほか
最近のコメント
月別アーカイヴ
リンク
道具

K-7 
Pancolar80mmf1.8 
FA35mmf2 
K-1 
Sigma28mmf1.8 
OtherCamera 
Flektogon35mmf2.4 
CZ・Ultron50mmf1.8 
MX-1 
Distagon35mmf2.8 
DP2Merrill 
ТАИР-11А135mmf2.8 
smc-m150mmf3.5 
DA21mmf3.2 
EBC・Fujinon(55mm&135mm) 
smcTakumar28mmf3.5 
Travenar50mmf2.8 
smc-m50mmf1.7 
OptioA30 
smc-m28mmf2.8 
smc-m20mmf4 
Pancolar50mmf1.8 
smcTakumar105mmf2.8 
SuperTakumar35mmf3.5 
Flektogon20mmf2.8 
ESPIOmini 
smcTakumar35mmf2 
Helioplan40mmf4.5 
SMC・Takumar55mmf1.8 
FujicaDate 



www.flickr.com
This is a Flickr badge showing public photos and videos from coma222. Make your own badge here.
copyright (C) 2006 アンダー・コンストラクションズ all rights reserved. [ template by 白黒素材 ]
//