2017/10/31//Tue.
巨樹を訪ねる 鈍土羅の樟
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K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 佐賀県の三大大楠を回った翌日。
 本州を目指して走る道筋、福岡県の南の方に位置する八女市の街中にも大きなクスノキがあると知り、朝6時から訪ねてきました。
 その名がなかなかインパクトのある、「鈍土羅(どんどら)の樟」。


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 八女市の馬場という地名だけはわかっていたので、前日の夜、車中泊の寝落ち寸前にネットの地図を限界まで拡大表示し、それらしい場所を探しました。
 すると、主要道路をたどって行ったところに「鈍土羅」の名がついた信号、そして熊野神社を発見。
 そして出会ったのが、この大きなクスです。
 武雄の大楠、川古の楠のように20メートル級の太さはありませんが、樹高が高く、凛々しい立ち姿の樹です。

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 この鈍土羅の樟も幹周15メートルを超え、間近で見ると圧倒的な巨大さに胸を打たれます。
 全国の大楠(この樹にあっては「樟」の字の方が正式のようです)のランキングにおいても12位を誇ります。
 実際には武雄市の3強の一角「塚崎の大楠」よりも大きいし、何より4本目にして初めて主幹が空洞化していない大楠です。

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 色々撮りたい気分を抑えてとりあえず熊野神社の鳥居から入り直し、お参りしました。
 傍には「どんどら地蔵」というのもあり、この石仏自体もかなり古そうに見えます。
 数から想像すると、かつては大樟の周りをぐるっと囲んでいたのかも?
 現在は神社だかお寺だか公園だかよくわからない空間ですが(消防庫もある)、大楠の樹冠に覆われるようにこぢんまりとしており、ちょっと息抜きするには良さそうです。

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 40年以上前、大枝のひとつが折れてしまってバランスを崩したようですが、枝葉の茂りも青々とし、健康状態はかなり良さそうです。
 夏にこの木陰に入ったら涼しいだろうなと思って見上げました。
 
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 「どんどら」というのは地名なのでしょうか、何かしら古代の響きを感じさせる音です。
 それもそのはず、説明文にも出てきますが、大正時代に行われたという発掘で、この樹の根元から熊襲(くまそ)討伐時代のものと思われる棺が見つかったとか。
 この樟は、その墓標として植えられたもののひとつだと伝承されているそうです。

 熊襲は大和朝廷に抵抗して平らげられたこの地方の土着民のような存在で、かのヤマトタケルの伝説にも深く関与しています。
 4、5世紀くらいにその戦いがあったと伝えられており、ということは、1500年ほど前。
 神話と歴史の境界が曖昧なところにロマンを感じますが、実際この場にいると、史実だったのでは? と思いたくなってくるような大楠の存在感です。

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 ワクワクしながら撮影を続けていると、朝日が赤く差し始めました。

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 朱の色は古来、辰砂の色であり、つまりは水銀が原料です。
 水銀は不老不死の薬ともされ、朱は特に高貴な人のために選ばれた色でもある。
 朝日に染められた大樟が、古代よりの自らの由縁を一瞬かいま見せたかのように感じられる眺めでした。


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 解説文。
 神話と線引きが難しい古代の伝承と巨樹の結びつきにこれだけリアリティが感じられるのも、九州ならではだと思いました。



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「鈍土羅の樟」
 福岡県八女市馬場 熊野神社
 樹齢:不明
 樹種:クスノキ
 樹高:30メートル
 幹周:15.1メートル
>> 2017/11/05 22:28
八女市といえば、お茶の産地というくらいの知識しかないですけど、
関西にあればナンバーワンレベルのクスノキも存在してるんですね。
20m級の巨樹は未経験で想像すらできないので、むしろこの15m位の方が、
その大きさを想像できて写真を見て素直に感動できます(笑)。

しかしさすがにこのサイズになると、神話レベルの伝説がありますね、やはり。
でもその棺うんぬんという証拠が出てきたとあっては、もはや伝説ではないのでは。
いや、きっとそうだと思えてきますね。

元気イッパイの巨大なクスノキに朝日が差す様子を見られるなんてすごく贅沢に感じます。
狛さん、いい旅しているなぁと改めて思いましたよ。
>> 2017/11/07 13:48
RYO-JIさん>
八女市はお茶とかみかんが知られてるみたいですね。
帰ってきてからスーパーで気づきました。
色々回るなら、見る順番というのも考慮した方がより充実したものになるかもしれませんね。
自分はデカイものから先に見ることになったし……まあ、それぞれ個性がだいぶ強いので、楽しかったですが。

これもいい樹でした。
土地柄もあるし、その伝説の信憑性も十分あると僕も思います。
こういうロマンがあるのも巨樹の嬉しいところです。

有名どこを見に行くのには、早朝はいいですね。じっくり撮れます。
前日車中泊からの朝一番アタックは、なかなかクセになりそうです(笑)。








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スバル・フォレスターが来て、調子に乗っているようです。

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