2018/02/27//Tue.
西日本長距離車旅 白山中居神社の御神木を求めて
gifu1739.jpg
VANTRUE X1 / Drive Recorder
K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 この石段がまた……。

gifu1747.jpg

 白山中居神社へのお詣りを済ませ(印象的な神社でした)、いよいよ目的である御神木を目指します。
 「石徹白の大杉」へは、神社脇の細い道を7キロ、白山中居神社の恐ろしく広い「境内」を走っていかねばならない。
 そもそも「中居」というのは、白山頂上と白山長滝寺というお寺を結ぶ信仰の道のちょうど真ん中にあるという意味らしい。
 かつて石徹白の村人は皆神に仕える身の方々だったそうで、どの藩にも属さず苗字帯刀も許されていたというから、その格式の高さたるやすごい。
 
gifu1749.jpg

 現代では、ここを「白山国立公園」と呼ぶらしい。
 この右手は白山中居神社本殿ですが、この奥に、先に訪ねた「浄安杉」への登り口があります。

gifu1750.jpg

 参考資料によれば、目的地までは車で行けるようです。
 が、走り始めてすぐさま細い山道といった様相。
 ガードレールも切れ切れ。

 ですが、この高い青空、雄大な自然。
 気分がとても良くなりますね。
 
gifu1751.jpg

 道路が湧き水で水浸しだったりしますが、気にしない。
 前日の京都のドライブを考えれば、舗装されてるだけでもありがた……
 
gifu1752.jpg

 ちょっと待っててくださいね。

gifu1736.jpg

 ほい、ほい。
 道を塞ぐ落石を自分で退けては進む簡単なお仕事です。
 資格年齢不問、時給0円。

gifu1737.jpg

 ちょっと進めば、また、あらよっと。
 こうして見るとかなりアホっぽいが仕方ないのであった。
 重いんだぜ、この石……ドボーン。
 しかし、完全にはどかしきれず、ひとしきりガタンゴトンする。

gifu1738.jpg

 パンクしないでよね。
 と、そんなこんなで進んでいくと、舗装路は終点に。
 いやあ、車があって良かった。
 現代人のひ弱な徒歩で向かえる距離じゃないですよ。

 広場になっており、車も停めておけるようになっていました。
 「石徹白の大杉」を起点に登山道が25キロにもわたって続いているというので、おそらくは登山者に向けたスペースなのでしょう。
 しかし……随分と山奥まで来たもんです。

gifu1740.jpg

 それで。
 振り向くと、冒頭の登り口が現れたわけです。
 「大杉まで三百四十米」確かにそう書いてあった。
 つまりこちらの石段を登れば良いのですが。

gifu1741.jpg

 ひたすら、この……石段を……登れば、良いのですが……。
 なんなんだよ、この石段。
 やたら疲れるのはどうして。

gifu1742.jpg

 ああ……すでにこの入り口が標高1000米以上にあるということも、若干影響してるんでしょうか。
 標高1000米を舐めちゃあいけないよ。
 僕は900米にある富士の建設作業研修施設にぶっこまれたことがあったけど、ポテトチップの袋はあほみたいにパンパンだったし、何、ビオレとか、ああいうクリームみたいなののフタを開けた途端、プーとか言って吹き出るのね。
 あれには笑ったと同時にちょっとうすら寒い気がした。ご飯はやたらべちゃべちゃだったし、カナブンが大発生していた。

 だがまあ、高山というわけではあるまい。 
 だいぶ長くなった旅の疲れが出ているのか、あるいは風呂……いけない、それは忘れることにしたんだろうが。
 今、風呂と言った奴は誰か! はっ、こいつであります! ナニー、貴様か!
 そら見たことか、そんなことを言うから思い出してしまったじゃないか!
 昨日逃げていった私の風呂! 今、どのあたりを逃げているのでせうね。

 ……とか無駄口を叩く暇があったら段を登ったらどうです?
 多分、この紀行文を読んでる人は、俺のことを二重人格だと思ってるだろうな。
 自分の親指と会話してると思ってるだろうな。

 馬鹿に時間がかかる340メーターでした(駄寸劇をして休憩した時間は差っ引く方針で)。
 考えてみれば、登るのも大変なのに、この石段作った人もいるんだから、ものすごい。
 まさに肩で息をしながら「石徹白の大杉」の前へ駆け出、待ち望んだ対面を果たしたというわけです。

gifu1743.jpg

 巨樹探訪の醍醐味を象徴するかのような、とても良い体験でした。
 巨大でありながら静かに、しかしやはり堂々と直立する白い杉。
 昔からこの杉は地元の人からも「白杉」の名で知られていたそうです。
 そして、白山信仰の開祖・泰澄上人の杖でもあるそうな。
 白山の神に接近遭遇を果たし、戻って来たら、地面に刺した杖がすでに巨樹と化していたそうな。

 10月なかばとは言え、石徹白の空気はひんやりとしておりました。
 それが、杉を撮るうち、周囲にひときわ暖かい日光がぱあっと降り注ぎ始め、レンズの内部が結露してしまいました。
 前日ずっと京都の山奥で雨に濡れ続けたので、仕方ないです。
 カメラ全体があったまって結露が解消するまで、しばし待つ。
 その間ずっと肉眼で大杉と向かい合いました。
 変な道具をちょっと置いて、正面から向かって来なさい。
 優しくもそう言われたような気もしました。

gifu1744.jpg

 あなたはすごい樹だよ。
 黄色い楓の葉を火の粉のように散らすその姿を、巨大な蝋燭のようだとも思いました。
 1800年の歳月を超えて灯る、目印の灯火なんだな、あなたは……。

 感服して、ここまで遠路はるばる来られたことを幸せに思いました。
 そりゃあ、白山信仰登山をする方などの足元にも及ばず、僕はただ自動車を運転して見物に来ただけですが、それでもやはり遠い世界に辿り着いたという達成感がありました。
 この「辿り着くまでの努力」が自分にとって実にいい按配の旅になるところ、巨樹探訪、良いなあと思う所以です。

 石徹白の大杉。
 何かのついでとか、一足伸ばしてとか、決してそういう感じで来られる場所ではありませんが、もう一度ぜひ訪ねたい樹だと思いました。
 これまで訪れた巨樹でも、いくつかそういうのがある。
 いつしかそれを、お遍路のように再訪する旅ができたら……自分はその時老いていたとしても、巨樹たちは変わらぬ姿でいてくれたら。
 むしろその時、人として正当に老いていたいとさえ思うのです。
 僕は人だから、そう思うのでしょう。


gifu1745.jpg

 いいもん見た。
 さあ、帰りは早いぞ。
 ガードレール無いから川にドブンしないように気をつけようじゃないか。
 そうして白山中居神社、石徹白の集落、岐阜県のどこかまで戻って来たのです。

gifu1746.jpg

 ああ、岐阜県。初めての岐阜県じゃないか。
 天気も断然良くなった。
 次も行こう、欲張って行こう。


 ……すげえ道だな。こういうのばっかり?


(続く)

>> 2018/02/27 08:35
これですかー!
…すごい木…
手前のさくの大きさを見ると大きいのがわかります。
ここまで長い道のりでしたね。
山に囲まれた集落の写真、こういうの好きですね〜。
>> 2018/02/27 14:34
これまたやばい道ですね 笑
山道を運転してたら一度だけ頭上に丸太が降ってきたことがあるので、くれぐれもお気を付け下さい。岩だったら死んでたかもしれません、僕。

しかし立派な杉ですねえ。
杉というとどうしてもズドンと一直線に伸びるものをイメージしてしまうので、これはもう何か別の生物のように見えます。
>> 2018/02/28 08:52
ぴよ社長さん>
はるばるやって来たという感じです。
この山中の集落を見つけた時、ぴよさんの写真を思い出しましたよ。
隠れ郷みたいで、ちょっと行ってみたくなりますね。
行くのは大変……で、実際行ってみると普通だったりして。
>> 2018/02/28 09:10
to-fuさん>
落石は怖いですね。当たるかどうか完全に運任せだし、でかい小さいも運任せ。
直撃しなくとも、杉の倒木に阻まれたことを考えてみると、今度はでっかい岩に行く手を塞がれる可能性もあったかもしれないですね。
そうなったとしたら、僕は歩いて大杉まで行っただろうかと……ちょっとそれは疑問。
いや、片道7キロ、行ったかも? 笑

裏杉の枝がほとんど皆落ちてしまって幹だけになった姿なので、健在だった頃は凄まじいでかさだった可能性があります。
ぜひ見たい……でも、その頃の姿はおっかなかったかもしれませんね。
もっともそれ自体、戦国時代とか、そこまで遡るかもしれません。
>> 2018/03/02 20:56
落石ほいほいのお仕事姿、堪能しました(笑)。
こういうの見ると、画像も撮ることができるドラレコに買い替えたくなります。

お遍路のように再訪する旅かぁ、いいですねぇ。
それは老後の楽しみに置いといて、今はドンドン色んな巨樹を見て回りたいです。
>> 2018/03/02 23:08
RYO-JIさん>
落石ホイホイこそワイルドドライブの入り口ですよね!(?)
この一連の静止画はムービーを止めてコピペで持ってきてるだけのものです。
ちゃんと静止画!ってやることも多分出来て、それだともっときれいだと思うんですが……これはこれで臨場感あるかなと。

カメラも進歩することですし、何度かお気に入りは巡りたいです。
また来ました! と言える、いつまでも待っていてくれる相手がいるようで、とても良いです。
全国、いろいろ見て回りたいですねー。笑








ブログ管理人にのみ表示を許可する

[TOP]



ブログランキングにも参加しています。
気に入った写真や記事があったら、押していただけると嬉しいです。

にほんブログ村 写真ブログ スナップ写真へ にほんブログ村 写真ブログ 建物・街写真へ にほんブログ村 写真ブログへ
プロフィール

狛

Author:狛
狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文が色々あります。
いつもどこかで何かしら変なことが起きます。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」一覧



・11日間、2600キロ超。
 行き当たりばったり旅の紀行文・
「西日本長距離車旅」



・写真展(2013.2)・
「旅の、まだ途中」
(Web版が見られます)



カテゴリー検索と表示



最近の記事とそのほか
最近のコメント
月別アーカイヴ
リンク
道具

HDPENTAX-DFA28-105mm 
K-1 
DP2Merrill 
Pancolar80mmf1.8 
OtherCamera 
K-7 
Flektogon35mmf2.4 
DA21mmf3.2 
Sigma28mmf1.8 
MX-1 
FA35mmf2 
CZ・Ultron50mmf1.8 
OptioA30 
Distagon35mmf2.8 
Flektogon20mmf2.8 
ТАИР-11А135mmf2.8 
smc-m150mmf3.5 
EBC・Fujinon(55mm&135mm) 
smcTakumar28mmf3.5 
Travenar50mmf2.8 
smc-m50mmf1.7 
smc-m28mmf2.8 
smc-m20mmf4 
Pancolar50mmf1.8 
smcTakumar105mmf2.8 
SuperTakumar35mmf3.5 
ESPIOmini 
smcTakumar35mmf2 
Helioplan40mmf4.5 
SMC・Takumar55mmf1.8 
FujicaDate 



www.flickr.com
This is a Flickr badge showing public photos and videos from coma222. Make your own badge here.
copyright (C) 2006 アンダー・コンストラクションズ all rights reserved. [ template by 白黒素材 ]
//