2018/04/18//Wed.
西日本長距離車旅(終) 旅の終わりの日
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K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR
VANTRUE X1 / Drive Recorder
iPhone7

 こういう予報って、ちょっとしょげますよね。
 こんな僕でも、やっぱりそうです。


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 昨晩読みふけった本に出てきた、北海道の千島でたったひとりで毛皮用の狐を飼う人のお話、その情景がやけに印象的でした。
 鯨の背中を見たり、流氷の音を聞いたりするしかなく、誰にも会えない一年を過ごすという。
 夢の中にその風景が出てきたような気もします……。
 それもまた心がする旅の一種かな……。

 まあ。
 今、自分はここにいるのだという気持ちを再起動し、ワイパーを動かして、今日も出発します。
 長野県飯田市、薄い上着が必要だと感じるくらいには冷えてきました。

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 ついに最終日……。
 相変わらず、運転席に座ると家に戻ってきたような気分になるんですが、そんなおかしな感覚も今日でおしまいか……。
 文字通りこの車内で寝泊まりしてしまったし、お土産もデータも想い出もいっぱい積めたので、そう感じるのだと思います。
 そうだ、もう少しお土産を買おうかな(買いすぎという話もある)。

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 「お菓子の飯田城」に寄る。
 こんな雨の平日の朝から、妙に熱心に開店待ちしたような状況に(偶然)なってしまい、試食どうですかのおもてなしを一身に受ける。
 飯田市はりんごの産地ということもあって、りんごのお菓子やジュースが多いんです。
 それも買いましたが、地元ならでは、面白くてうまかったのが「赤飯饅頭」。
 饅頭の中に赤飯がくるんであって、ごはんごはんな味なんですが、うまいんですよ。
 日持ちがしないのですが、持って帰ったらウケてすぐ売り切れました。

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 今日のプラン(あるかないかのプラン)、もう一丁山奥に踏み込んで、根羽村というところへ。
 どうしても見たい樹のひとつ「月瀬の大杉」があります。
 標高はやはり1000メートルを超えるとあって、山がちな飯田市からもさらに登坂が続きます。
 道は良いですが、距離以上に遠さを感じる土地です。

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 根羽村月瀬に到着。
 迷うことはなかった……といえど、整備された大杉公園がこんなに立派だとは。
 一瞬、さぞ観光地化されてるのだろうと、大杉の身を案じましたが、結果的には善意を感じることができ、良いところでした。

 雨が強くなってきたので、迷わず上下のカッパを着込みます。
 傘は無用、代わりに三脚。
 最後くらいちゃんと三脚を使って撮ろうと決めました。
 
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 雨の中で見る、月瀬の大杉。
 いくつもの巨樹に出会い、それぞれの印象を受け取ったこの旅。
 この樹ならばこそ、とても見事な形でそれを締めくくってくれるな……と、撮っているうちから思っていました。
 大満足の存在感です。

 旅がこれで終わるという実感もあったのでしょうが、離れ難く、大雨なのに随分その場に長居してしまいました。
 タオルで水滴を拭き拭きの撮影、綺麗なタオル……と思って持ってきたものが、どうやら家で変な柔軟剤を使ったらしく、拭くほどフィルター面がぬるぬるに!
 これはまずい、まだ撮りたいのに!
 雨が止む気配はなかったのですが、ええいままよ、と、保護フィルターを取り外し、濡れきる前に撮った大杉との最後のツーショットが、自分としては一番満足な写真になりました(上の写真ではないです)。
 改めて写真を見てなお、すごい巨樹だ。

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 カメラも、ご苦労様だったね。
 いろんな環境、ちょっと過酷な状況でも余さず対応できるんだから、お前さんもけっこう、良いカメラだと思うよ。

 有名な杉なので、こんな雨にも関わらず、自分の他にも見にくる人がいました。
 こういう場合、大概の見物の方が短時間で帰っていくので、会釈くらいはして、撮影は中断し、お帰りになられるのを待つことにしています。
 地元の方には色々伺いたいですが、観光の人と意見交換したいとは思わないし、見にきた人に話しかけて、その人の思考を邪魔してもいけないとも思う。
 目の前の巨樹から、それぞれ、いろんなものを感じ取ってほしいですしね。

 それでも、やはり大概の人が数分の滞在で立ち去っていく。
 こんなすごい樹を前に、果たして感じるところがなかったのか?
 巨樹をテーマにして撮り始める前は自分もそうだったのかな、素通りしてたのかな、と考えたりもします。
 ここまでレジェンダリークラスの巨樹を訪ねたこともありませんでしたが……人の心、好奇心の動向というのも面白いものですね。

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 ありがとう、また来ます。
 そう大杉に告げて車に戻ってくると、ふーっと疲労のような満足感のようなものが身に充満しました。
 余韻の中、無言で放心していると、観光バスが来てご団体が杉を見に降りていく。
 良い時間に杉に向かうことができたな……と思いました。1対1だったもんね。

 ざっと見てあっさり帰る、花より団子だ、まして杉で花見はできないし……と、そういう方々に対して毒づきはすれども、やはり日本は森の国、樹の国なのだと再確認します。
 みんな、基本的潜在的に樹が好きで、関心がある。一応は名所として見に来る。
 そういう意識をもっと大事に育てて、日本の未来を形作っていく要素に組み込んだら面白いんじゃないかな、と僕は思います。

 さて、そういうわけで。
 帰りますか!
 460キロ、6時間半くらいか。
 帰るだけならなんてことはない。あっさりです。
 渋滞に巻き込まれもしましたが、その夕暮れには家に無事たどり着きました。





 計11日間、九州から関東の端っこまで。
 自分の興味だけが行き先を知っている(すなわち、自分が一番わかんない)ような、ボリュームだけはある旅路になってしまいました。
 自分の人生においてもいくつもの別れを乗り越えなければならない時期であり、「自分さがしの旅」というほど若くはないですが、何度目かの、そういう種類の旅だったと思います。
 あいつぐ別れにボロっちくなったからといって、何にも興味を示さず生きていくことはできないし(死んでしまいます)、そういう意味での充電、再発見、再開、前進はできたな、というのが終えてからの感想です。
 こういうのを旅というのかは、相変わらずわかりませんが……旅はやっぱりいいですねえ。










<エンドロールにかえて。登場人物(?)紹介>


嬉野温泉で風呂上がりで実はもう眠い。
でもまた車中泊はしてしまうと思う……便利だし……。

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スバル フォレスター
この旅での走行距離:約2600㎞
帰って来たら、タイヤの空気圧がかなり減ってて、驚きました。

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巨樹たち
あなたの印象に残ったのはどの樹でしょうか

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fukuoka1720.jpg umi1705.jpg umi1712.jpg kawatana1709.jpg
yamaguchi1738.jpg kokenawa1706.jpg yatsuhusa1704.jpg takase1703.jpg
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そして、心から感謝。


atushiさん 「なごみ日和」

RYO-JIさん 「The B grade ・・・」

to-fuさん 「with photograph」

長い駄文にも関わらず、最後までお付き合いくださった皆様


ありがとうございました!



(おわり)



……さて、次はどこへ行きましょうかね。笑
>> 2018/04/18 23:50
イケメンが写ってるw
たまにこっそり写真に写ったりもしますが、堂々と姿を見せることは出来ませぬ。
ある意味羨ましいですね。

お疲れさまでした。
よいなぁ長旅。
どの樹も圧倒されるばかりですが武雄の大楠、石徹白の大杉、加子母の杉あたりでしょうか。
いっぱい神社さん回っていらしてすごく楽しかったです。
お気に入りは豊玉姫神社のナマズちゃんです!w

時間だけはある身ですが旅に出ることは難しくて(身体が言うこと聞いてくれなくて勝手に難しくしているだけだが)旅レポ読んで行った気になるのもなかなかいいね。
行く前提で読んでますしw(交通の便の悪いところは無理だけど)
狛さんの語りは肩こらなくてすぅっと入っていくのがとてもよくて。
まま、精進しろ自分って感じなんだけどねー。
次回もまた楽しみにしております。
>> 2018/04/19 13:38
さかしたさん>
僕の場合、内容的にもこういう人間がやってるって明らかになってた方が気持ち悪くないかなと。
ライフログだし、主張も強いし……だからたまに写ってますね。
イケメンだったらもっと出演するとこですけど。笑

距離が距離なので、さすがに10日以上あってもざっと有名どこをなぞるようにしかできませんでしたが、印象に残るすごいのといくつも出会えて、写真的にも満足です。
どうしたってこれらの巨樹は高確率で神社仏閣とのセットになるし、結構な数の神社にお参りもできましたね。
ナマズ様も嬉野温泉も良かったので、僕もまたぜひ行ってナマズ様にお水をかけたい。笑

到底役に立たないような旅記事でしたが、お楽しみいただけたなら幸いです。
さかしたさんのもそうですが、楽しそうに書かれている旅記事を読むと、また自分でも出かけたくなる。
やっぱりネットで見てりゃ万事OKってことはないですからね。
お付き合いありがとうございました!
>> 2018/04/19 17:34
しかしこうしてまとまった量の巨樹を見ると、本当に濃密な旅だったんですねー。紀行文として1冊の本にまとめられそうなボリュームです。

カメラを持って街を徘徊しなくなった時期から雨の日が嫌いになったんですが、おかげさまで巨樹巡りにはまってからはまた雨の日が好きになりました。雨の湿っぽさも映えますよねえ。

九州の猛者たちは狛さんの記事を読んで以来ずっと気になってます。樹齢とか由来とか何かもう色々規格外すぎて 笑
>> 2018/04/20 08:25
to-fuさん>
九州はすごかったですね。クス軍団の勢力が巨大で、ちょっと呆れるくらいでした。
たまには杉を見たいな……なんて思ってしまったり。普段は杉ばっかりなんですけど。
樹齢と伝説もアレなので、to-fuさんにも実際ぜひ目の当たりにしていただきたいです。
いずれにせよ、各地方再訪して吟味してみたい。

ちまちま探訪記を書き、プリントのアルバムを肥やすのも自己満足できて良いのです。
そう、いずれこの調子で本でも作れたら、ほかの人は迷惑でしょうが僕はきっと満足できると思いますね。よし、目標にしましょう(笑)。

雨の日の巨樹探訪、良いですよねえ。
雨音の中に佇む姿こそが本当というようで、樹によってはわざわざ雨の日にしてみたい樹もあります。
to-fuさんが全天候型で話が通じる方でほんとうによかった。
>> 2018/04/22 16:01
いや~、ほんとボリュームたっぷりで読み応えある紀行文でした。
充分な満足感、そしてこれが最終話と思うとちょっと寂しい感じ。
あるじゃないですか、面白い長編小説を読み終わった後みたいな(笑)。
それにしても濃密な11日間でしたね。
きっと二度と経験できないような貴重な旅だったんでしょうねぇ。
いや、狛さんならもっともっとスゴイ旅をこれからもやるでしょう(笑)。

私からも改めてお礼です。
そんな貴重な旅の登場人物にさせていただいて感謝です。
狛さんにお会いできて刺激もたっぷりいただきましたから。
そして何より、めちゃくちゃ楽しかった。
では、また(笑)。
>> 2018/04/22 19:22
RYO-JIさん>
脈絡ないうろうろ旅でしたが、巨樹を巡ることでひとつに縫い合わされたように思います。
それがなかったらこんなにも長い距離と期間をうろつくことはできなかったかもしれませんね。
同じく、旅の記録も、それがなかったら放ってしまったかも。
全国を視野に入れて(一応そう言っておく……言うだけはタダですから笑)巨樹を巡る上は、この先も無茶だなんて言わずに挑んで行きたいものです。

奈良は実際僕には縁遠い土地であり、RYO-JIさんが会ってくれなければ果たしてこの先も行けたもんだろうかと疑問に思います。
会いに行けば会っていただける、これが素直に嬉しかったし、今でもあの時の心踊る感じは印象深く記憶しています。
共通の主題で語り合えるのもとても嬉しかったです。
距離やなんかのことはあえて深く考えず、これからも出かけて行きますので、また会ってあげてください。
それでもって、撮った写真や巨樹の話題など語り合いましょう!
ありがとうございました!笑








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スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文が色々あります。
いつもどこかで何かしら変なことが起きます。

・巨樹探訪旅やってます。・
「巨樹を訪ねる」一覧



・11日間、2600キロ超。
 行き当たりばったり旅の紀行文・
「西日本長距離車旅」



・写真展(2013.2)・
「旅の、まだ途中」
(Web版が見られます)



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