2018/06/07//Thu.
巨樹を訪ねる 白山神社のカツラ
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K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 九頭竜川を見下ろしながら山の中をうねる国道158号から県道173号に逸れる。
 たちまち対向車とすれ違えない落石注意の細道になるところをさらに15分ほど走ってたどり着く集落、下打波。
 ちょっとばかり怖い道に耐え、道沿いにある鳥居を見落とさなければ、巨大な桂の樹を有する白山神社を訪ねることができます。
 全樹種中、福井県最大の巨樹とされる「白山神社のカツラ」です。


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 色あせたような鳥居が目に入ると、カツラの姿も道路から見ることができます。
 実際は少々木立の奥にあるという感じですが……同じ緑であるのに、そこにあるということがはっきりわかるというのは、やはり巨樹ならでは。

 車を降り、その気配を追っていく。
 想像では、もっと山道か神社の階段を歩かされるのかと思っていたので、若干空回り。

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 主幹と呼べるものの姿はすでに確認できず、数多い細い支幹が束になったような、カツラの巨樹特有の姿です。
 塊となったそれらの中から選ばれたような数本が、身をくねらせるように天を目指している。

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 どこから見ても分厚い存在感でそびえ立っている。
 ひこばえが次々に芽生えていき、樹体をどんどん太くしていっているという印象を受けます。
 群集劇的な躍動を感じる姿だと思います。

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 振り仰げば、鮮やかな黄緑色の水玉の奔流といった感じ。
 カツラ特有の円い、可愛いらしい葉っぱがどっさりついていて、目にも鮮やかでした。
 こういったところからも、荘厳だとか重厚だとかいうより、生命力に溢れたポジティブな印象を強く受ける事ができる樹です。

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 一方、足元に目をやれば、実に広大な面積をこのカツラの根が掌握していることが見て取れます。
 岩盤上に土や腐葉土が積もった土地と思いますが、この巨体を支えるために張り巡らされている。
 幹へ至る数々の根の起伏のディテールにこそ、ある意味神話的な情景を思い浮かべることができるようで、見ていて飽きませんでした。
 これが例えば、幹周囲100キロの世界樹だったとしたらどうだろう。
 あの根の隙間やうろひとつひとつに、村があったり、森があったりするんだろうな……。

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 そんなカツラの巨樹。
 カツラの樹自体の寿命は、おそらく他の巨樹種から比べればそう長くはない部類なのだと思います。
 この樹の年齢は300歳くらいと推定されていますが、幹は白く、若々しさというよりは風格を感じさせます。
 ただし、寿命が短いからと言って、すぐ消えてなくなるものではない。
 そこはカツラの十八番、大量のひこばえでどんどん世代更新をして存続し続けていく戦法があります。

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 険しい傾斜地ではないですが、周囲をよく見てみると、数トンはゆうにありそうな巨岩がゴロゴロ転がっていることに気づきます。
 カツラの根元にも2個、3個……。
 こんなものが直撃したら、さしもの大カツラもダメージを受けると思いますが、恐らくは崩落の後にカツラが生えたのではないでしょうか。
 それでも、これほど大きく育つと、さらなる災害を十分食い止めてくれそうに見えます。

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 撮影していると、またパタパタと音を立てて雨が降ってきました。
 雨の中のカツラ、いっそう活き活きとして見えます。
 樹冠がそれなりに濃く、カツラのそばでは、それほど雨に打たれた感じはありませんでした。
 しかし、見るからに水量豊富な土地です。
 飽和したスポンジのように、土はたっぷり水を含んでいることでしょう。
 それを象徴するかのようなカツラの巨樹、その足元には、地元の人が囲っているワサビ田もありました。

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 石造りの解説板を読む。
 出ました、お箸ぶっ刺し伝説! もはや伝統芸能の域ですね。
 もちろんここでの仕掛け人は白山信仰の開祖である泰澄です。
 ご飯を食った箸をその辺に刺すというのはお行儀がよく無いのでは、と思うのですが……。

 ちなみに桂は丈夫で良い香りがするので、いろいろなものを作ることができる高級木材です。
 当時は現代よりカツラも数多くあったとは思いますが、割り箸的な感覚ではなかったと思うので、それを刺したところに泰澄サンの何らかの霊力の込めようを想像してみたいですね。

 「白山神社のカツラ」。
 まさにスタンダードな、カツラの巨樹の代表選手のような樹でした。
 

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「白山神社のカツラ」
 福井県大野市下打波 白山神社
 樹齢:300年以上
 樹種:カツラ
 樹高:28メートル
 幹周:14.5メートル
>> 2018/06/07 17:05
あぁ…これは良いカツラですねえ。
このカツラの旺盛ぶりを見るだけでフカフカな土や水の美しさが伝わってきて嬉しくなります。
僕も勝山方面へ攻める際は絶対に寄ろうと思っている1本なので羨ましい限りです。

しかしあの藤坂の大カツラのようにもっと山の奥深いところに立っているのかと思い込んでましたが、意外にも道路の側に立っているんですね。これは知らずに運転してたらギョッとするだろうなあ。僕だったらつい脇見して事故ってしまうかも。事前に知っておいて良かったです。
>> 2018/06/07 23:02
箸ぶっ刺しキタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆
様式美と思いました、わたしはw
食事中に何か感じたり閃いたりするんでしょうかね。
んで、ぶっ刺し。
想像するとちょっとおかしいねw
>> 2018/06/08 11:52
to-fuさん>
カツラを御神木とする時に望まれるであろう要素を漏らさず備えた樹でした。
RYO-JIさんが気づいたんですが、わさびを栽培するくらいですから、それこそ飲めるくらいの清流がひたひた流れている土地です。
水量も見るからに豊富。潤いがものすごい。

道路事情などからしても、さぞ気合を入れるべきだろうと構えるんですが、そうじゃなく。
目印の鳥居はグーグルのストリートビューでも確認できますし、途中の狭い道を抜ければ、あとは容易です。
感が鋭い人は(=RYO-JIさん)通りからもわかると思いますね。
それだけにもったいぶった感はないですが、そこは樹自体のオーラで魅せるという感じ(笑)。
to-fuさんにもぜひ勝山や岐阜を攻めて頂いて、その感想を聞いてみたい。
アッチはやっぱり山がものすごいので、潜んでいるものもおばけや神様や、色々出会えます。
>> 2018/06/08 12:06
さかしたさん>
うちで見られないような目立つ顔文字に、なんか変な書き込みかと思いましたよ!
でも、お箸ぶっ刺し伝説がくると、もはや「ヨッ、中村屋!」的に、キタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆ となります。最近。

どういうこった、お行儀悪い、と思いましたが、確かに途中で何か閃いたのかもしれませんね。
そのままどこかへ出かけることになったのかもしれない。
そもそも、その辺にあった枝をお箸にしたのかも。
……とか考えると、泰澄サンも空海サンも神武サンも、活き活きとして想像できますね。
>> 2018/06/09 16:25
初カツラがこれで本当に良かったと思います。
スタンダードなカツラの巨樹の代表選手にいきなり出会えた訳ですから、
初めて会えたプロサッカー選手がメッシだったみたいな感じですよね(笑)。

雨は嫌いなんですが、このカツラだけは雨が降っていて良かったなぁと思いました。
なんですかね、あの瑞々しい感じは。
濡れることはまったく気にならず、むしろ自分も潤ってくるようで心地良い空間でした。

伝統芸能のお箸ぶっ刺し伝説ですが、それだけを研究しても面白いかもしれませんね(笑)。
恐らく4~5名ほどのぶっ刺し師の名前しか出てこなくて、どれもワンパターンでしょうが・・・。
でも本音の所では、なぜこのぶっ刺し伝説が日本各地で受け継がれているのか知りたいです(笑)。

 
>> 2018/06/09 21:49
RYO-JIさん>
おお、初カツラですか。これはめでたいタイミングに立ち会えました。笑
サッカー選手で言うところの〜というのは面白いですね!
ランク分けとはまた別な比喩ができそう。
カツラにはまだまだ巨大なレジェンドがいますが、大きいだけでなく、スタンダードな良さがあるというと、やはりメッシですかね。笑
カツラは特に雨が似合う樹種であると思っています。
そういうぴったりなタイミングで訪ねることができたのもまた吉でした。

伝説についてはどなたかが必ず論文をまとめておられると思うのですが、今の所発見してません。
人気のあるぶっ刺し師は偏るでしょうが……逆にそこにしかぶっ刺してない人がいたりすると、それは真実かもしれませんよね。
なんか変なもの刺してないといいですけどね。急須とか。どうやって刺すんだよ! とか。
そもそも第一号、最古の例はどれだったのかがわかると、いろんな謎が解けるのではないかと……。








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狛です。
スナップ経由の風景写真、巨樹探訪旅、無計画な遠出の紀行文が色々あります。
いつもどこかで何かしら変なことが起きます。

・巨樹探訪旅やってます。・
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・11日間、2600キロ超。
 行き当たりばったり旅の紀行文・
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・写真展(2013.2)・
「旅の、まだ途中」
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