2018/06/08//Fri.
巨樹を訪ねる 西光寺の大杉
IMGP9987-2.jpg
K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 勝山市の方に戻って来て、道路も平坦になり、比較的人工物も多くなってホッとしました。
 が、今度は雨が強くなる。
 そのダイナミックな姿が印象的な「西光寺の大杉」へは、降りしきる雨中の訪問となりました。

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 西光寺という地名ですが、あくまで地名であって、そういうお寺は存在しないらしい。
 その辺を勘違いした狛野郎のせいで、じゃあじゃあ降る雨の中を探し回る羽目になってしまって申し訳ないです。
 さらに言うと、この巨樹は白山神社にあるのですが、近所にもうひとつ別の白山神社もある。
 これも巨樹探訪のあるあるではありますが……探索は慎重に、気長に行いましょう(あなたが)。

 で、どうやら正しいらしい白山神社に到着すると、雨のせいもあってか(時刻も16時近い)、境内はかなり薄暗い。
 そればかりか、奥の方にひときわ淀んだ影のような巨大な気配……。
 それをできるだけ見て見ぬ振りをして、踏み込みました。

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 簡素な社殿の裏手に回ると、見間違いようもない巨大な「西光寺の大杉」の登場です。
 おおー、と声が漏れるような、堂々とした姿。
 この姿を目の当たりにする頃には、先ほど手前で感じたおどろおどろしい感じは不思議なくらいさっぱりと霧散しました。

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 本当に不思議なくらい。
 薄暗かったのはもちろんこの巨樹の存在が影響しているのですが、それが一気に晴れるというのも、もちろんこの巨樹の生命力、その威力によるものに間違いないです。
 それくらい明確に、元気の良い感じを受けました。

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 見ての通り、雪深い地域に育つ裏杉です。
 雪の重みで大きく折れた箇所は見当たらないものの、そのための予備を作っておこうというかのように積極的に分岐していっています。
 束になっている箇所はかなりのボリューム感があり、一番下の枝は傾斜地の重力によるのか、ほとんど地を這うつもりでいるかのよう。
 しかし、一体何又に分岐しているのでしょう? よくわかりません。

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 見る方向によって全然違った姿を見せてくれ、見飽きないし、どこから見ても迫力十分。
 幾多の幹や枝が、俺だ! 俺だ! と主張して来るかのようで、撮る方も困ってしまう(笑)。
 合体樹のようでもありますが、根幹はかなり緊密で、この際どっちでも良くなってしまうところがあります。
 迫力に気圧されるのを存分に楽しみたいところです。

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 じゃあ、ちょっと引いて見てみます。
 それぞれの複雑な幹がそれぞれまたたくさんの枝をつけている。
 密度は濃く、傘のように覆いかぶさって来る感じです。
 実際、これだけ景気良く雨が降っているというのに、大杉の下の地表は乾いているし、全く傘いらず。

 よく見れば、風や雪かで折れた箇所もあったのですが、それがどうかしたか? だったら次を作れば良い、と言わんばかりに繁茂している。
 どんどん枝が伸び、下を通る道路に覆いかぶさってしまうせいで、人間に剪定された箇所の方がよほど多い。
 そんな姿は、見ていて痛快な気分になれること請け合いです。

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 巨大な、元気のいい樹と、立ち向かう撮影者・RYO-JIさん。
 枝に引っかかっちゃってる注連縄がやりようない感じでおかしい(笑)。
 裏杉らしい、一度垂れ下がってから急に思い直して直立する枝もありますね。

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 説明文。
 ここでも出ました! 十八番のお箸ぶっ刺し伝説!
 白山神社なので、泰澄サン、よくお箸刺す方だなあと思いきや、なんと空海サンです。
 どうして空海なのか? ここへやってくるのにどのような物語があったのか? 一体、何弁当を食ったのか?
 周囲を探そうにも、手がかりになりそうなものは何もありませんでした。
 唐突すぎる登場の弘法大師……。
 この件については我々しばし話し合ったのですが、ひょっとしたら、巨樹を有する他の神社仏閣(あるいは自治体)と張り合ううち、話がでかくなりすぎたとか(「うちの方がすごい! なんたって弘法大師サンのお箸だからな!」とか)……。
 邪推はいけませんが、あながち無い話でもないと思うんです。まあ、現代に生きる我々とすれば、どちらでも面白いですけれど。
 とにかく、空海サンが刺すとこういう風になるんだって!

 文末の願いには一心に賛同します。
 自然は豊かですが、厳しくもあります。
 この先も元気一杯に枝を広げていってほしいものですね。

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 杉の下の農道を歩いて行って見ると、行先の山には「西光寺城跡」という大きな看板が立てられていました。
 どこに寺が? と思いましたが、「西光寺城」という城があったようです。
 あまり資料もなく、どうやら城跡と言っても凸凹しか残っていないようなところのようですが……城跡マニアの方々が訪れることがあるみたいですね。

「西光寺城の築城年代については、詳しいことは不明となっていますが、戦国期には、保田の国人である田所氏の領地だったと思われます。
 戦国末期には、朝倉氏より保田の地を与えられた、島田将監の領地となり、一向宗徒と共に、近くの三室山城、村岡山城、壇ヶ城とともに平泉寺との戦いの拠点となりました。 」

 云々。
 そういうところを訪ねる魅力が良くわからない。
 しかも、城跡マニアの方々、すぐ近くにこんな面白い巨樹があるというのに、こちらの写真は全く載せておられない。
 土の凸凹には興味を示すのに? 良くわからない趣味もあったもんだなあ。
 (……著者の私見です。普通の人からすれば、大きい樹を見るために750キロ走って来る人も理解し難いのに違いない。)



fukui1856.jpg

「西光寺の大杉」
 福井県勝山市鹿谷町西光寺 白山神社
 樹齢:500年
 樹種:スギ
 樹高:35メートル
 幹周:9メートル

>> 2018/06/09 00:44
何だこの枝!と叫んでしまいました。ウラスギだとしても凄いですね、これは。
勝山は雪深い地域なので積雪と共に枝がポキポキ折れてしまいそうに思えますが、毎年の大雪なんて屁とも思わないような枝っぷりですね。それとも折れようが気にも留めずに新しい枝を生み出しまくるカツラやイチョウのようなストロングスタイルなんでしょうか。

ちなみに全く同じ謂れのある「弘法杉」が滋賀県にもありまして、記事を読んで笑ってしまいました。
昔の坊さん行儀悪すぎでしょう。たまに杖をぶっ刺す坊さんもいますよね。いやいや、持ち帰れよと。
この手の伝承についてまとめたら面白そうです。
>> 2018/06/09 10:41
to-fuさん>
「溢れんばかり」型の杉ですが、樹高もそれなりにあって、杉の原型もあるところが面白い樹です。
よそ様のサイトなどで見ると、冬の勝山というのは本当恐れ多いほどの雪地獄ですね……こりゃ来れないわい。
そんな季節を、そう、ストロングスタイルで押し切ろうというのですから、気合いの入った杉に間違いありません。
勢いを感じるのも無理はないですね。

滋賀の弘法杉、読んできました。
ここではお箸伝説がより鮮やかで、しかも、お箸絡みで現代まで受け継がれているという……こりゃあいいや。笑
ぶっ刺し伝説に関してはほんと我々くらいの探訪でもホイホイ採集できてしまうので、分類して見ると、どのオカタが一番お行儀悪いかわかるかもしれませんね。

それはともかく、巨樹発生の伝説については興味あります。
お手植えのケースについても、抜き出して行くだけで面白いものが見えてきそうですよね。
>> 2018/06/09 16:52
表杉を見慣れた自分には、とても衝撃が大きかった裏杉でした。
これが裏杉か・・・と。
そして自分の杉史上、間違いなく枝の本数は最大です。
そんな大杉に挑む自分は、その迫力に気圧されてぺっぴり腰で笑えます(笑)。

道中は本降りでしたが、そういえばこの大杉を撮影中は気になりませんでしたね。
狛さんのご指摘でいま気付きました(笑)。
どうやらこの大杉に心を奪われていたようで、全然気づきませんでした。

まさか白山神社があんなところに2つもあるだなんて・・・。
調子に乗って逆方向へと延々連れまわしてしまい、スミマセンでした(汗)。
>> 2018/06/09 21:54
RYO-JIさん>
裏杉はとにかくいろんな個性を爆発させてますんで、見飽きないですね。
この場合は直立性もあるわけで、やっぱり直立したいんか……と思います。
八房杉なんかは最初からのたくってましたもんね。
あれら巨樹の前で、RYO-JIさんは勇ましく立ち振る舞っておられたと思いますよ。
逆に僕はキョロキョロ動きすぎだと思います。笑

せめてご同行の人がいる時くらいもっとちゃんとリサーチしろよ自分、と、こうしてまとめていると思いました。
お付き合いいただいて本当にありがとうございます。
多分無鉄砲と無計画と方向音痴はこれからも治らないので、気長におつきあいお願いします!!(汗)








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