2018/06/19//Tue.
巨樹を訪ねる 西福寺のスダジイ
fukui1914.jpg
K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 巨樹探訪/スナップ写真仲間同士の3人、福井県敦賀市に集ったのは、夏のように日差しの強い日でした。
 敦賀の市街に車を停めておき、撮り歩きを兼ねていけるところで……と探した時、白羽の矢が立ったのが、この「西福寺のスダジイ」でした。

 あまり現実的な距離を測って検討するような人たちじゃなかったので(苦笑)、地図を眺めて大雑把に「いけるだろ」と歩き出した感じです。
 てくてくてくてく……しかし、なかなか着かず。車で15分くらいかかる距離だったようです。
 まあその間に気比の松原も通ったし、海も眺めたし、面白い話もいっぱいできたので、いいんです。

 そうして辿り着いた西福寺ですが、すぐ近くが工場だとは思わなかった。
 MDF合板とか作ってる工場じゃないかなと思うんですが、木材をチップにして固めるようなことをしている(と思う)。
 この工場の煙がふわふわと漂い、田んぼを超えていく……その先にお寺を発見する感じです。

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 辿り着いた。……しかし、巨樹特有の衝撃的なご挨拶は、ない。
 外から見て、「あれだろ……違ってたらむしろ怖い」みたいな姿がはみ出して見えることはなかったし、実物を前にしてなお、「これかな……?」と一瞬考えてしまう。そんな感じです。
 今回は椎ですし、しかも老木。今もバリバリ成長している杉などとは一緒にされても困るというところでしょうか。

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 一個前の写真の個体と上の個体で、両側に位置し、寺への来訪者を迎えるような形です。
 片方が市指定の天然記念物で、幹周囲7.6メートルということなんですが……多分、前の写真の方かな。
 別の方も6.8メートルということで、福井県におけるスダジイの1位、2位だそうです。
 後から知りましたが、このスダジイの大きい方は「新日本名木百選」にも選定されているとのこと。

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 ここで皆の意見が一致したのですが、これは大きさで見る巨樹ではないな、と。
 計測すればその値を出せるのでしょうが、幹はもはや骸骨化してバラバラになりつつある。
 樹高も低く、巨樹としての迫力という点でいえば、筋骨隆々とした千葉県のスダジイ群と比べるほどもない。

 しかし、見所がないかというと、そうでもない。
 とても立派なお寺にあるので600年という樹齢は裏付けが取れそうだし、そこまで生きた時、椎の樹がどんな姿になるのか、そのリアルを感じさせてくれます。
 この枯れた感じが寺の雰囲気に一層重厚感を与えているのも間違いない。
 巨樹という言い方をあえて引っ込めて、「名木」とか「古木」と言ったほうが、いっそ樹自体にも気を使わないし、ぴったり来ると思いました。

fukui1916.jpg

 なんて、まるで分別あるその道の通人みたいなものの言い方ですね。笑
 なんだよー、でっかい樹だっていうから来たのに、超がっかりだぜー、とか言わないんですから、我々も大人になったものです。

 椎の樹自体地味だし、陰気な感じもしますが、一説にはその実で人々を飢えから救ったこともあったらしい。
 こういう樹がここにあるという意味を考えながら、じっと見ることができる目こそ養っておきたいと思うのです。
 それが巨樹探訪を長く続ける秘訣になるんじゃないかな……などとも思いました。

 幹はこんななのに、離れて見てみると意外に思うほど樹冠がこんもりと濃くて健康そうに見えるのも、嬉しい発見でした。
 その辺も評価されての名木百選入りなのかなと思います。



fukui1919.jpg

 浄土宗の名刹、西福寺は修繕工事中でした。
 とても立派な御影堂、阿弥陀堂、書院を有し、これらが国の重要文化財指定。
 1400坪あるという庭園も有名だそうです。
 応仁の乱を避けて都から移されたという重要文化財の絵画や書も多く所蔵しております、とのこと。
 敦賀を楽しむ時は、立ち寄るのもいいと思います。
 もちろん、その時はスダジイも併せてご鑑賞ください。



fukui1913.jpg

「西福寺のスダジイ」
 福井県敦賀市原 西福寺
 樹齢:600年
 樹種:スダジイ
 樹高:8メートル
 幹周:7.6メートル/6.8メートル
>> 2018/06/20 00:14
勝手にリンクを張ってしまいますが
http://www.erc.pref.fukui.jp/sogo/d028/k42.htm
こちらの上坂さんという方が境内の景観と絡めて巨樹を紹介してらして、なるほどそんな風流な見方もあるのかとちょっと目からウロコでした。

このスダジイを含めて今まで回った中にもあまり衝撃を受けなかった巨樹がそこそこありますので、もっと経験を積んでからまた再訪したいなあなんて思ってます。でも体調やら脳ミソの疲労度によっても巨樹から受ける印象が違ったりするからな…どうも一生かけても回りきれる気がしないし、だからこそ面白いですねえ。
>> 2018/06/20 14:23
to-fuさん>
こうして改めて写真を見てみても、勝山と敦賀では気候風土が全然違うのがわかりますね。
空気がカラッとしていて、湿度感がない。
道理で植生や樹のライフスタイルが変わってしまうわけです。

リンクありがとうございます。
計画の時に何度かこちらをチラ見していましたが、手書きで地図まで作ってくれているし、マメな仕事だなあ……と感心していました。
巨樹ハンティング! とか吹いてわざわざ遠方からこれだけ見に来るとがっかりするかもしれないですが、いろんな樹があるから面白いわけで、こういう見方が多少でも体得できればもっと楽しめそうにも思いますね。

「誰が見てもすごい」以外の樹については色々と考えることがありますよね。
ランキングや数値というのは、見に行く動機付けという功もあるけど、机上の期待値が実物を上回ってしまうという罪もある。
でっち上げすぎだろ! というのにはちょっと引く傾向にある僕ですが、確かに、自分が疲れてたり目が麻痺していて受け止められなかったケースもあったと思います。
謙虚に、新鮮な眼差しを向けられるように心がけたいものです……。
巨樹に限らず、いろんな趣味に共通して言えることなのかもしれませんが。。
>> 2018/06/20 21:40
う~ん、そうですねぇ、確かに評価が難しい巨樹でしたね(←偉そうに言うな)。
貴重な存在であるのは間違いないのですが、驚きや感動とは違う楽しみがあるのでしょう。
植物学的、あるいは民俗学的な見地などから接すると嬉ションするくらい興奮するのかも(笑)。
まぁ、自分なんかはまだまだ見た目のインパクトや数字に振り回されてしまう初心者だなぁと。
それはそれでわかりやすくて楽しいですが、せっかくなんでもっと視野を広げたいもんです。
>> 2018/06/21 13:52
RYO-JIさん>
ああしたインパクトの塊のような巨樹をいくつも見た後でもありましたしね。
スダジイでもドーンと杉と並べて引けをとらないようなヤツもいますが、これは違うタイプでしたね。
対象に何を求めるかというのは個人個人で違うわけですし……その辺の見方については、芸術作品を鑑賞するのに似ているかも、とも感じました。
まあ、無理に深読みするのもカッチョ悪いですけどね。笑








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