2018/07/04//Wed.
巨樹を訪ねる 辻の四本杉
hyogo1848.jpg
K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 篠山市街へ向かって国道372号に入りました。
 この道はなんでも「デカンショ街道」とかいうらしく、みなさんが丹波篠山に有名な黒豆を買いに行く時に通ったりする道のようです。
 「デカンショ節」というのもあって、

  デカンショデカンショで半年暮らす アヨイヨイ 
    あとの半年ねて暮らす ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ 

 ……とかいうらしいですが、じゃあ「デカンショ」が何なのかというと、諸説あるということらしく、よくわからないそうで。
 デカルト、カント、ショーペンハウエルをかけて学生が作ったとか? ええー?
 と、よくわからないままその街道を走ると、すぐに辻集落があり、そこを細道に折れました。
 さらに未舗装のガタガタ道を少し行ったところに、「辻の四本杉」を有する稲荷神社への入り口があります。
 「辻の四本杉」、「しほんすぎ」と呼ぶようです。

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 入り口を見失わないようにと、案内板がありました。
 辻というから、また交差点にでも生えているのかと思いましたが、そうではなかった。
 車が回せないので、一旦だいぶ先まで走って転回、案内板の近くがかろうじて1台停められそうだったので、停めさせてもらいました。
 そこから歩いて数分、畑や竹林があり、杉林に入ったところで……

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 うわっと。
 ここでもケダモノ阻止のための鉄扉が。
 向こうに鳥居の赤と、巨大な気配も確かにある。
 先の「藤坂のカツラ」でも経験済みの我々は、開けて通ろうとしますが……

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 ちょっと待ってくれ!!!
 確かに扉に「高電圧注意」って書いてはありますが、扉の先に電気ビリビリワイヤーが張ってあるなんて聞いてねえぞ!!
 写真に写りにくいんですが、この3段の黄色いワイヤー、実際にも見辛く、危うく見過ごして突入するところでした。

 しばしストップ。
 いやまあ、夜行性の連中を阻止するためのものであるからして、昼にONしてたら電気代の無駄っちゅうかな……
 だったら狛サン触ってみればいいじゃん、とおっしゃる?
 嫌・だ!!!(全力)

 しばしストップ。
 そして中略。
 頑張って何とかしましたが、いい加減いいお年の大人ですので、その方法についてはあまり言いたくない。

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 素晴らしい出会いには難関がつきもの(毎回?)。
 晴れて「辻の四本杉」との対面です。
 扉と電気ビリビリトラップを攻略するにあたって、若干遠目に望んだこの樹の姿は、どこかおどろおどろしく、薄暗い中に気味の悪いほど高い樹が、しかも奇抜な格好で立っているという……近寄り難いような感じがありました。
 しかし、勇気を出して近づくにつれ、それはこちらの思い過ごしだったとわかりました。
 とても伸び伸びと幹を伸ばした、元気の良い巨樹だったのです。

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 ほとんど同じ太さ、高さの大杉が4本も、一斉に天を目指している。
 この姿にはとても勢いを感じます。
 見ていて気分が良くなるような、思い切りの良さのようなものを感じるのでしょう。
 それぞれが樹高30メートル以上あるので、のしかかるような迫力があります。

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 別の角度から。
 まっすぐ立ち上がっていることは確かなのですが、角度が開いてきている。
 おそらく日照を求め、それぞれの枝が重ならないようにこうなったのだと思いますが、一番傾斜している幹は結構無茶をしているようにも見えます。

 個人的には、こうした個性的な合体樹を見つけると、いつもそれが「個」であるのか「群」であるのかを考えます。
 この、他の幹を意識して重ならないように無理をしているところを見ると、
「寄ってくるなっての! あーもう、俺はお前らとは別々になりたいってのに!」
 ……なんて声を想像してしまいます。
 もちろん、そうして重ならないことで、共存共栄しているということも考えられますね。
 4倍効率がいいのかも。

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 さらに回って。
 この手の合体樹によくある、お化け煙突エフェクト。
 なかなかどうして、重ならずに4本全てを撮る位置取りに苦労します。
 それにしても背が高い。
 上にレンズを向けながら樹の周りをぐるぐる回ると、いつの間にかふらふらになっています。

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 長大な上に角度までつける幹、それを支える根幹部はひとつ。
 従って、単純に単幹の4倍以上の逞しい根元が必要になってくる……過剰なそれらを支えるために変形し、メキメキと盛り上がった、力みなぎる感じが素晴らしいです。
 幹周囲は目通り9メートル。
 数字上の小細工などは全く必要なく、その通りの巨大さをストレートに感じることができました。

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 アンバランスな4本幹が倒壊しないように、根は神社の境内中の土地を掌握しています。
 かなり離れたところにも根が露出していて、驚かされました。

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 戻って眺めると、幹には細長いうろがあることに気づきました。
 傷なのか、成長過程でできたものなのか、判別は難しい……。
 しかし、覗いてみると、不朽しているような感じではなく、向こうにも幹の樹皮みたいなものがある。
 やはりこの4本は別々の樹であり、成長するに従って癒着したのでしょう。
 それを物語っているのがこの内部だと思いました。

 ただ、結構深い穴になっているので、菌類や虫が繁殖しないかが心配です。
 実際、これを撮影している時に何やら大きな蜂が……ここを巣にしているのか?

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 細いしめ縄に羊歯の葉が挟んでありました。
 成長過程でしわ寄せになった部分の樹皮が細かなパターンで対応しているのが興味深いです。

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 周囲が木立で薄暗かったのが、パッと光が差し、巨樹をいっそう立体的に見せ始めました。
 代表的な書籍で取り上げられていないし、いわゆる名所にもされていませんが、知る人ぞ知る巨樹だなと思いました。
 巨樹が好きなら訪ねて損はないというところでしょうか。

 蜂が……うん、明らかにパトロールしている。
 この辺にしておこうかという話に。

hyogo1842.jpg

 解説文1。神社について。
 うっかり神社御本体を撮っておくのを忘れてしまいましたが、小さなお社がいくつか横並びになっている形で複数の神様が祀られていました。
 お稲荷さんがメインらしく、こちらは別のお社。いずれにしてもコンパクトな作りです。
 しかし、大杉の周辺を含めて敷地全体がとても綺麗に掃除されていたと思います。
 地元の方々は大事になさっているのでしょう。
 このこぢんまりとしたところでお祭りなんかもしたりするんでしょうか……想像すると、ちょっといいなと思います。

hyogo1841.jpg

 解説文2。杉について。
 700年ということですが、杉の状態からしてももっと若いと思うし、神社の建立が江戸時代ならば、植えられたのもその100年前とかではないかな……とも思います。
 幹ではなく「枝」と表記しているのが面白いですね。
 
 目立たないところにありますが、そのおかげで「こんなところにこんな樹が!」と驚くこと請け合い。
 篠山市周辺は巨樹に恵まれた地ですが、忘れずに見ておきたい樹だとお勧めします。
 その際には……ぜひ、折りたたみの台を忘れずに。

 さあto-fuさん、なんとかなるだろ! と気合で乗り越えて来てしまいましたが、戻るときは?
 どうしよう、あのビリビリワイヤー……。

 (to-fuさんによると、別の方の探訪記で、このワイヤーをハイハイで潜ったツワモノがいたとか!
  「ミッション・インポッシブル」かよ!!)


hyogo1843.jpg

「辻の四本杉」
 兵庫県篠山市辻
 樹齢:700年
 樹種:スギ
 樹高:30メートル
 幹周:9メートル
>> 2018/07/05 21:24
デカンショ…僕はあまり深い意味はないんじゃないかなあなんて思ってたりするんですが、どうなんでしょう。合いの手とか掛け声的な。人間は何にでも意味を持たせたがる生き物ですねえ…

この巨樹はイメージしていたよりもずっと立派な巨樹でした。流石にこれだけの幹が一同に会するとなかなかの画になるものですね。天候なのか時間帯によるものなのか写真にコントラストが付きすぎてしまったのでもう一度会いに行きたいんですが、次回は小さい脚立を持って行くつもりです 笑

篠山の巨樹を巡るならぜひともラインナップに加えてもらいたい1本ですね!
>> 2018/07/05 22:01
素晴らしい出会いまでの難関具合がスゴイですよね。
道が険しかったり、迷いやすかったりは経験済みですが、これはねぇ(笑)。
匍匐前進という手は最終手段ですね!

4本がそれぞれ天高く伸びる姿が、見ていて頼もしい感じがします。
思い思いの方向へ、しかしちゃんと共存もしているだなんて結束が固いなぁ。
まだまだ長生きしそうで今後の成長も楽しみですね。

うろや樹皮のパターンなど、狛さんは細かいところまで観察されてて流石!
>> 2018/07/06 10:58
to-fuさん>
◯◯でがんしょ? みたいな感じかなと。そんな言い回しがこの地方にあるのかは知らないですが。
筑波のタバッコ峠なみに記憶には残りました。

地味なんでしょ? マイナーなんでしょ? というつもりのもとでの訪問でしたが、9メートルクラスをあんな至近で見られたので、感じる大きさはかなりのものでしたね。
見に行けて良かったです。もし、篠山のことを話す機会があれば、他の人にも勧めたいですね。
脚立の携行とともに(笑)。
再訪する際には十分気をつけてくださいね!
>> 2018/07/06 11:03
RYO-JIさん>
なーんか、毎回いろいろなトラップがあるんですよねえ……。笑
ただでさえ番狂わせばかりの旅路だというのに……まあ、そこが後で見てみると面白いのですけども、、
匍匐前進だけはやめよう、人間性を捨てることである、フルメタル・ジャケットである、とto-fuさんと話しあい、別の手段で頑張りました。
もう若くないので身体が重かったです。汗

おかげさまで今回も色々な樹を見比べることができたので、これはこういう傾向だなと直感するようになってきたのかもしれません。
しかし相変わらず感性が幼稚なので、セリフを当ててみたり、ああこの樹は例えるならキリンさんだなと思っていました。笑
元気があって良い巨樹でした。








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