2018/09/10//Mon.
巨樹を訪ねる 神崎の大クス
sawara1808.jpg
K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 夏の巨樹探訪。
 今回は、僕の地元でto-fuさんと落ち合えるということになったので、馴染み深い巨樹を案内する他、道中にある未訪問のものも探ってみようということに。
 合流地点の道の駅のすぐ近くに位置するこの樹から訪ねてみることにしました。
 神崎神社にある「神崎(こうざき)の大クス」です。


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 手始めに、最初の写真の天然記念物であることを示す石柱に、こうあります。
「神崎の大樟 通称 なんじやもんぢや」
 なんじゃもんじゃの樹。
 古くからこの樹はそういうあだ名で呼ばれてきました。
 ここへ来たことはなくとも、この名だけは聞いたことがあるという人は多い。
 もちろん地元の話ですが、もしかすると他の地方でもこの名は案外通るかもしれない。

 というのも、「なんじゃもんじゃの樹」というのは色々なところにあるようです。
 文字通り正体不明の怪しい樹という意味なんですが、僕自身は、水木しげるの「日本妖怪大全」で、謎めいた樹のオバケ?として読んで知りました。
 その中で、もしかすると全国的に見ても一番有名な「なんじゃもんじゃ」がこの樹ではないかと思われます。
 なんと言っても、一応は国指定の天然記念物なので……どういう樹かと気になっていました。

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 しかしながら、訪問を後回しにしていた理由は、近所なのでいつでも来られると思っていたのがひとつ。
 もうひとつは、どうやら枯れてしまった樹らしいという情報のためでした。

 来てみれば、確かに。
 主幹はそれなりの大きさ……これだけで6、7メートルはありそうですが、パサパサに枯れきっている。
 
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 今も黒く残る部分は、この樹がかつて炎に包まれたことを物語っています。
 落雷か? と思いますが、どうやら違うらしい。
 解説によれば、明治40年にあった神崎神社の火災で一緒に燃えてしまったのだそうです。
 
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 奇妙なのは、火災が明治40年(1907)、国の天然記念物に指定されたのが大正15年(1926)年という時系列。
 つまりはこの巨樹、燃えてしまってから天然記念物に指定されているのです。
 まさに、ナンジャモンジャ? とでも言えば良いのか……。
 樹木の天然記念物指定って、枯れた樹にも適用されるものなのでしょうか。

 なかなかミステリーを感じますが、現在もこの指定は解除されていません。
 その枯れた主幹の左右を挟むようにして立派な幹が立ち上がっていますが……これがこの樹のひこばえ。
 それらが巨大化し、十分な迫力を得てそびえ立っています。

 もしかすると、指定当時はまだ主幹にも息があったのかもしれません。
 まもなく枯れる運命だと悟って、この樹は、ひこばえ達に続きの生を託したのでしょう。

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 枯れてしまっても完全に朽ち果てることなく、その場に存在し続けているのは立派です。
 クスの生命力と成長する力の強さを実感できる光景だと思いました。
 丹念に周囲を掃除してくださっている方々もおり、風景として親しまれていることが良くわかります。

 幹周囲は10メートルとされていますが、当然これはひこばえも含めた数値。
 合体樹を見るとしても、それぞれが変に離れて位置していると少しがっかりするものですが、この樹にはそれを補う物語が見て取れると感じました。

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 神崎神社の周辺の森も生気に満ちていて、準巨樹とも言えるケヤキやシイが多数生育しています。
 この「神崎森」自体も県指定の天然記念物に指定されていて、菌類や昆虫など、自然観察をしても奥深そうなところでした。

sawara1807.jpg

 解説文。
 神崎神社の主祭神は天鳥船命、大己貴命、少彦名命。
 歴史は古く、白鳳2年(673年)にはこの地に在ったとのこと。
 この辺りの歴史的な資料が少ない中、神社に残る古文書は当時を伝える貴重なものだそうです。

 この大クスを「ナンジャモンジャ」と名付けたのは、かの水戸光圀公だそうで。
 その頃には主幹が元気だったはずですが、300年も遡るとなると、逆にそこまでの大きさではなかったのでは? という疑念が湧きます。
 一方で、濃い神社森はあれど、クスノキはこれの他には無さそうです。
 この辺りはクスに最適な自然環境ではないのでしょう、近隣地で目立った個体もない。
 どういう意味づけかはわかりませんが、御神木として誰かがここに植えたというものなのだと推測します。
 ということは、もしかすると、この辺りにないクスという樹種こそを見て、光圀公は「ナンジャモンジャ?」と呟いたのでは……?
 そんなことを思いました。

 
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「神崎の大クス」
 千葉県香取郡神崎町神崎 神崎神社
 樹齢:不明
 樹種:クス
 樹高:7メートル(主幹)
 幹周:10メートル

>> 2018/09/10 21:40
あの水戸光圀公が名付け親だとは・・・。
思わず「ははぁー」とひれ伏したくなります(笑)。

立派な柵に覆われ、解説版ですら屋根付きだとは、相当手厚く保護されているようですね。
やはり土地柄でしょうか、水戸光圀公が名付けたクスだからこそ枯れてもなお大切にしているのかなぁ、
と関西人はそう思ってしまいました。
主幹が枯れてしまっているのは残念ですが、ひこばえと呼ぶには立派過ぎる後継ぎがしっかり成長してて、
この素晴らしい環境もあってますます大きく育っていきそうですねぇ。
関東では珍しいクスですし、まさになんじゃもんじゃな存在。
光圀公、センスありますよ(笑)。
>> 2018/09/11 08:01
RYO-JIさん>
光圀公はテレビみたいに諸国漫遊はしていないわけですけれども、流石に地元のこちらにはいろいろなエピソードが残っています。
茨城の北の方の「三浦杉」も光圀公の命名だったと思います。
これを見るとますます国の天然記念物指定の基準を怪しく感じてくるのですけれども、神崎神社にそれほどの力があったとも思えません。
まあ、光圀公の影響でも無いでしょうけど……。
ひこばえはなかなか立派になってきているので、この先もクスの巨樹として、我々クスを見慣れない関東人を楽しませてくれると思います。
>> 2018/09/11 13:42
日常的にクスを見ない者としては十分驚きの1本でしたよ!
ひこばえを含めた見栄えこそ1つの芸術作品のようでしたが、確かに主幹に注目すると痛々しかったですね。
それでも主幹が枯死して終わってしまった巨樹が多く見られる中で、このクスは世代交代に成功した稀有な例でもあると思います。(近畿圏は倒壊しました。おしまい。みたいな巨樹が非常に多いです。)O型の者としては蚊の猛攻でゆっくり眺めることができませんでしたが、ここはまたゆっくり再訪したいなあと思っています。その折にはぜひまたご同行願います 笑

そういえば例の全国巨樹の会のかすみがうらルート。狛さんに案内していただいた甲斐もあり、気付かぬ間に僕も全制覇していたみたいです。詳細を見ていたら本当に「各自、スーパーでおべんとうを」と書かれていて一人で吹き出しました 笑
>> 2018/09/11 22:49
to-fuさん>
九州が悪い、と思うんですが笑、あの大楠王国を目の当たりにしてしまうと、この規模で国の天然記念物というのはどう? と思うところもあるかもしれません。
しかし、確かに、この樹は世代交代成功の例ですね。ひこばえがひこばえと呼ばれなくなるくらいどんどん巨大になり、枯れた主幹も呑み込んで一体化してしまえ! と願いたい。
もちろんこれも我々は見られない姿でしょうが、それを期待することができるという点は、天然記念物にふさわしいかもしれません。
道の駅からも近いですし、今度また来られましたら是非。
そしたら今度こそ利根のウナギを……ウナ……え? サメ? 笑

霞ヶ浦ルートは、試しに参加してみようかと思うのと、近所すぎでみんな見ていてスーパーおべんとうだしで、やだな、と思うのと、葛藤です。
いや、霞ヶ浦周辺のあたりは本当飢えるんですよ。おかげでいつも同じチェーンのうどん屋に行ってしまってます。








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