2018/11/14//Wed.
秋の北海道巨樹紀行8 北海道のずっと東へ
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K-1 mark2 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 釧路から東へ。
 縁あって北海道の東側へと来ることになったので、もっと東へ行かねば。
 もっと言えば、オホーツク海を見なければ。
 そういう闇雲な使命感に駆られ、ゆっくりもせず出発し、釧路市街を抜けたのでした。

 ちなみに上の写真の海はまだ太平洋と呼べるところ。
 絶景が続く厚岸町愛冠(あいかっぷ)岬周辺、だったと思います。


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 おはようございます、火野正平です……。
 とかなんとか。
 たとえばそんな風な気分にさせる、清々しくも特別ではない風景。

 釧路から1時間ばかり進んだ街、ここは厚岸町です。
 「あつぎし」ではなく「あっけし」、それはわかったつもりだったけど、帰ってくるまで「あつけし」だと思ってた。
 住所としては「北海道釧路総合振興局厚岸町」というらしく、県でも郡でもないところに、とんでもなく遠くに来た感が漂います。
 そう言われてみると、北海道はまだまだ開拓途中なのだな……などと思ってしまいます。

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 ユニークな地形の中にある小さな平和な街。
 写真に写る水辺は、この先がまだあって、実は半分が海(厚岸湾)で半分が内海(厚岸湖)なんです。
 汽水域が広いのでしょう、それを活かした特産は牡蠣。
 いくつも牡蠣を扱う水産会社がありました。

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 釧路も含め、水辺が非常に入り組んだ地形が続き、すなわちそういう土地の周囲は湿原となるのでしょう。
 根室方面へもう少し進むとたどり着くのが浜中町(ここも北海道釧路総合振興局)。
 霧多布(きりたっぷ)湿原の中にある町……というのはやはり地図の上での認識で、実際に高台から見てみると、一体なんていうところに町を築いたのだろうとびっくりします。

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 きりたっぷ湿原(の一部)。
 釧路を抜ける時には、実際釧路湿原をひと目すらも見ず、なんて勿体ないことをする計画なのだろう……と思ったので、せめて霧多布湿原の中を走ろうと思ったのです。
 しかし、鳥獣の観察をするならまだしも、秋の湿原は茶色いばかりです。
 これだけの規模の湿原、オンシーズンに来てみたいなあと思いました。

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 国道は浜中町を貫いているので、この後は少し町内を走ります。
 こんなすごいところ、人口は先の厚岸よりも少なく6000人ほど。
 主要産業は昆布漁で、海近くの大抵の家に広々とした砕石敷の昆布干しスペースがありました。
 昆布は逃げないし高級品だし、なんかすごい儲かりそう……いや、冬の厳しさは恐ろしいし、楽ではないですよね。
 モンキーパンチ先生はこの町出身なんだそうで、駅にはルパンがいましたよ。

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 昆布ともうひとつ、浜中町の酪農は有名だそうで、ここでとれるうまい牛乳も絶品かつ高級品。
 牛をからかっているうちに(撮ってたらモーとか言って寄ってきた)こんな僕でも地場の味覚を楽しんでみたくなり、地図のアドバイスに従って寄り道を試みます。

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 コープはまなかに到着。
 ここで食べるソフトクリームがまた……

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 食わしてくれねえのかよ……。

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 残念極まりないですが、走ってみた感じ他にお店も見当たらず、実は気温が15度くらいしかないため、そんなにソフト向きのコンディションじゃなかったの。

 気をとり直して進みます。
 浜中町の市街地を抜けると次第にアップダウンがつき始め、

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 パッと開けたダイナミックな地形に目を奪われます。
 自分のとこも屏風ヶ浦とか、結構大げさな地形に恵まれていますが、こういうのを眺めるのは嫌いじゃない。というか好き。
 つい車を停めて写真を撮ります。

 ここは羨古丹(うらやこたん)の岬。
 なんて変な地名なんだろう。ここまで来るともはや意味と音、字を合わせるとか、そういう配慮すら無いに等しい。
 それだけ異文化の土地だということなのでしょう。

 羨古丹の解説が書いてあり、なんでも、1831年にオーストラリアの捕鯨船レディ・ロウエナ号が停泊し、乗組員が上陸した場所とのことです。
 その時代、この辺り、センセーショナルな事件だったんでしょうね。

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 さて、その先を行くとなると、親しみ深い「振興局」も「根室振興局」に変わってきます。
 ここで思い浮かぶルートは2つあって、
  1:根室市がどんな街なのかを観光し、おいしい昼飯を食う。
  2:実はこの先やばい……じゃない、気になるところがあるので、本能に任せて進む。

 2にします。
 えっ? だって……。

 地図をごらんください。
 根室の西に風蓮湖というかなりでっかい湖があります。
 釧路・根室振興局でよく見かけたように、これもまた海とつながっている汽水湖。
 面積では日本で13番目、周囲長では北海道で一番長いらしく、一周96キロもあります。

 で、そこに物言いたげな半島があって、「槍昔」という奇妙な地名がついている。
 あまつさえ地図はそこに「行き止まりに小さな漁村があるだけ」とキャプションをつけている。
 この状況……行くしかありませんね。

 「槍昔」という地名も、そうじゃく、とかじゃなくて「ヤリムカシ」って読むんだ。
 ほら、カタカナで書くとぐっとアイヌ語っぽくなる。
 しかもきっと、「ム」と「シ」が小さく書くタイプのソレだったりするんだぜ。
 そこには槍が出てくるような昔話もなく、故事もない。
 あるとすれば、我々が想像できない、違う文化のそれがあるのでしょう。

 こういう、今回わざわざ行かなければ100%一生行かない縁なき場所を見かけると、そこがどういうところなのか、自分の目で確かめたくてたまらなくなるのです。
 その欲求が、おいしい昼飯に勝ってしまった。

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 片道10キロ以上あるんですよ、これでも。道は良かったけど。
 で、たどり着いてみたら、なんだ、ほんとだ、小っさい集落があるだけでした(だから言ってるでしょ)。

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 風蓮湖は湖というよりは海で、潮くさい匂いが漂っています。
 海に出なくても貝類やカレイやニシンがとれるらしいのですが。

 試しに槍昔のことを調べてみると、意外にもちょっとだけ事項が出てきます。
 奇妙なこの地名の語源はやはりアイヌ語らしいですが、あまり定かではなさそう。
 集落の人口は56人。
 消える寸前なのかと思いきや、ここ50年ずっと数十人のままやってるらしい。
 こういうところにも生活があるんだなあ。

 何もないことが確認されましたが、「何もない」にもいろんな種類があるんですよ。
 そんな風なことをつぶやきながら湖畔に車を停め、クーラーボックスから取り出したパンやサラダを食べました。
 本当は朝これで済ませてしまって、と思ってたのですが、寝坊してホテルの朝食を選び、残ってしまったヤツ。
 コンビニでサラダを買うとき、いつも何か嫌でドレッシングを買わないんですが、この時は代わりになる味の濃いものが一切なかった。
 無味な生野菜を噛みながら、でも、なんだかこの風景にはそれが合うなあと思ったのでした。

(続く)
>> 2018/11/15 00:00
厚岸と言えば牡蠣だなぁ(病気
狛さんは牡蠣食べましたか?

火野正平の番組見てますよ、わたしも。
アレ一度見ると癖になるんだよね。
そしてちゃり乗らなきゃなぁって。
>> 2018/11/15 08:05
さかしたさん>
さかしたさんは牡蠣大好きっ子ですもんね。
僕は小さい頃に当たりかけた記憶があって食えないんです。笑
厚岸は有名なんですか。
この展望を撮ってる道の駅のレストランが立派なんですが、休みでした。
(そういうの多い)

正平サンが居てくれるので、朝食の時間にばあやと喧嘩にならずに済んでるようなもんです。
晩飯の時も鎮静剤代わりに同じ内容ですがつけてますね。
バラエティはうるさいので、僕がダメなんです。小さい頃当たった記憶があって……
自転車好きな人は触発されるでしょうね。
ああいうスローなツーリングも素敵です。








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