2006/10/31//Tue.
レンズと写真、コレクター精神について
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 ミノルタα用のズームレンズ2本を除くと、M42マウントのレンズしか持っていません。


 そういう人ってどれだけいるんだろうと思うんですが、なぜかと考えると、情けない話ですが、お金がないからです。
 M42のレンズは、発売から時が経っていることもあり、とても安く、その相場ばかりが身についてしまうと、ニコン、キヤノン、ペンタックスなどの大手メーカーの現行レンズの値段を見て腰を抜かしそうになるものです。1本で十何万円? ホントかよ? とか。
 実際、何度でも書きますが、お金がないので、このブログにある写真のほとんどがペンタコン、ヴィヴィターという、M42の中でもかなりインダストリアルな感じの、安いレンズを使って撮影されています。みんな6000円くらいです。

 M42の中にも伝説的レンズはたくさんあって、デジ一眼にアダプタで簡単にくっつけられるということもあって、方々のサイトでそのリポを見ることができます。持っている人は本当にたくさん持っていらっしゃるようで、ほぼ日替わりで珍しいレンズの記事が立ち上がっていたりします。
 すごいなあと思いつつ、知識を吸収させていただきつつ、いつか自分もそういうレンズで撮ってみたいと思うのですが……ひとしきり見ていつも感じるのは、何十本も名玉を並べてカテゴライズしてある一方で、写真の方はあんまり載ってないなあという物足りなさです。
 「なんとかゴン・何mm・Fいくつか」とかいうすごいレンズのカテゴリの奥に、百枚くらいずついろんな写真が載ってたらいいのに。載ってないです。マクロとして優れてるって言えば花の写真が二三枚、ボケがきれいといえばポートレートが二三枚。「この滑らかなボケ、コクのある色乗り、それでいてしつこくない描写……」とか何とか、いや、こうではないですが、海原雄山的な賞賛文がついて、はい次の日はまた別のレンズです。それがもう、何か月分もある。
 本当はたくさん撮っていてブログに載せておられないだけかもしれませんが、本数自体が何十本という数になってくると、これはもう、そうもいかない。仕方がないことです。

 僕はそういうすごいレンズは一度も使ったことがないので、比較する術もなく、こういうもんなんだとペンタコンで撮り歩いて愚かにもマニュアル銀塩写真の醍醐味を知った気になって喜んでいますが、そういうツワモノの方々にこれらが「あまり価値のないレンズ」という印を押されてしまっているのを見かけると、なんだかやるせない気になります。ちゃんときれいに撮れるのになあと。
 そりゃ、工業製品としてしっかりした「いいモノ」の方が僕だって好ましく思います。そういうモノを目の前にしたら、「こっちがいい」とクラクラするでしょう。
 でも、問題なのは、そういう評価ばかりが先行して、手に取ったことがない(レンズの場合、撮ったことのない)人の間でも「いいらしい」とブーストされまくっていくことです。それによって名レンズは誰もが欲しがってどんどん手が届かなくなっていくし、そうでもないレンズは、もっとどんどん見向きもされなくなってしまう。本当はちゃんと写るレンズが評判だけで切り捨てられる一方で、いわゆる「名レンズ」が高値で取引された挙句、過保護にされすぎて防湿庫の中で化石になっていく……。
 撮れるということは付加要素に過ぎないのか。撮れるという「実験」が無事済んだらしまっておくべきものが名玉なのか。それにまつわる名前や歴史なんかにそんなに価値があるのか。

 僕としては、たとえ、そのレンズの絶対的本数が少なくて希少価値があったとしても、手に入れたからにはたくさん使ってやりたいです。
 正直言うと、うちのヴィヴィターなんかはもうバルサムが切れかかってたりしていて、ダメなレンズかもしれません。ネットで落札した時にはそんな情報はなくて、失敗したとか騙されたとか後悔しましたが、でもそれなりには撮れるし、描写や操作性、もちろんデザインもペンタコンとは違うので、使っているとそれはそれという愛着が湧いてきます。
 お金がある人がメルセデスに乗らなければならないという法はないけど、わざわざボロボロの国民車に乗らなければならないという法もない。それと同じように、わざわざ安くてボロいレンズを使えというのじゃありません。
 でも、だからこそなおさら、無事なまま眠りっぱなしの名レンズが山ほどあるなら、解放して欲しいです。縁あって僕みたいなのが見かけたら、頑張ってお金をためて1本買って、町中連れ回して百枚二百枚と撮っていきますから。
 また、撮っているなら、写真をもっといっぱい見せて欲しいとも思います。こんなとこ、多分あなたは読んじゃいないと思いますが、レンズ大好きなあなたのサイトからは、その名玉の個性や価値が、そしてあなたのレンズに対する愛みたいなものが、はっきり言って充分には伝わってきていません!!


 ……以上、身勝手な主張ですみません。
 あ、写真は新宿御苑の温室のオオオニバスです。大鬼蓮。余りの高感度フィルムで撮ってみました。

Bessaflex / Pentacon29mm / Centuria800
>> 2006/11/01 00:20
カメラど素人の自分のような人間にとっちゃ間違いなく世の中の情報ほど左右されるもんはないです(^^;
「カールツァイス使用」といううたい文句でコンタックス選んだものの「ほー世に言うカールツァイスってどんだけすごいの?」と写真とってみりゃはるかにCANONのEOS1000(旧い)で撮った絵のほうがきれい見えて愕然としたりして(汗
まあこの場合、腕がお粗末ってことでトホホな話なんですが
本体の機械的性能と使ってる野郎の技術がシンクロした時においしいもんができあがるんだなあとつくづく身に滲みましたヨ
ところでレンズって奴はそんなにいい奴と普通の奴では違うもんなんですか?
自分にはどうにもわからん感じです情けないことに
(コンタックスを使いこなせてないだけに痛いケド) 
>> 2006/11/02 08:50
この文章を書いてみて、反省する点もいっぱいあります……。
そんなこと言うならずっとペンタコンで撮るぜ! というタフさは自分にはなく、結局、レンズが欲しいという心ゆえの吐露でありました。お目汚しすみません。
多分自分もこれから何本か買うんでしょうし、その中でいいレンズに感動したら、何かしら叫んでしまうと思うんですね。
レンズ山ほどレビューしてるサイトはやはり見てて面白いと思うし……。

夜野さんのおっしゃる通り、機材を使いこなすことが大事。自分にぴったりの機材を見つけるためには、それなりに色々使ってみることも必要ですよね。
ただ、ものを大事にするということ、その価値の受け止め方についてはもっとあるだろうということで、いい写真を撮るのに必ずしも最高のレンズが必要というわけではない(近道ではあるかもしれないけど)というところにまた写真の世界の深さを感じてしまうところです。








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バランス
 ベノさんのブログ「アンダー・コンストラクションズ」に、こういうエントリがあって、ちょっと身につまされて、読みながら思わず苦笑してしまった。まったく仰せのとおり。 写真用レンズの性能って、自分にとっては並々ならない関心事で、じっさいとてもこだわってい....
//写真箱 2006/11/04 01:28
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